「ヤバい…全然宿題が終わっていない…」8月末のこのタイミングに、溜まりに溜まった宿題に絶望を感じる子どもたちは多いはずだ。ドリル系はガッツでこなすとしても「読書感想文」は本を読み切ることが大前提。この期に及んで1冊読めていないとなると“終わった”と頭を抱えていないだろうか。

しかし、諦めるのはまだ早い。1日どころか、半日あれば読書感想文が書ける方法を『書くのがしんどい』(PHP研究所)の著者で、担当作品が累計100万部を越えるヒットメーカーでもある竹村俊助さんが教えてくれた。

▲書くのがしんどい/竹村俊助(PHP研究所)

疑問を浮かべ「ツッコミ」を入れていく

じつは、僕も読書感想文は苦手だったので、気持ちはすごく分かります。そこで『書くのがしんどい』でお伝えしているメソッドも使って、お答えしてみたいと思います。

もはやこのタイミングになると、本を丸々読んでいる時間はないでしょう。しかし、内容を知らないと読書感想文を書き切ることは難しい。そこで「flier」などの要約サイトなどをチェックしてみたり、書評YouTuberの動画を観てみるのも一手です。

僕の場合、読書感想文ではないですが、急に入った著者への取材の場合など、限られた時間で、これまでの作品の内容を押さえなければならない状況がよくあります。その時は本の「カバー周り・目次・はじめに・1章・2章・あとがき」をチェックするようにしています。これも使えます。

この方法だと、短時間で本の全体像と重要な部分を掴むことができますね。実際にこんなワザを使う小学生や中学生がいたら、教師としては嫌でしょうが……時間がないので仕方がありません(笑)。

具体的な読み方のコツは「ツッコミ」を入れることです。読書感想文なので文芸書を読むことが多いと思います。登場人物に対して「コイツ何を言ってるんだ?」「なんでそんな行動をしちゃったの?」とつぶやきながら読んでみる。そのツッコミが疑問や問題提起になります。

▲疑問を浮かべ「ツッコミ」を入れていく イメージ:PIXTA

大学受験では合格するために「傾向と対策」の研究が欠かせませんよね。今回の取材にあたり、僕は内閣総理大臣賞を受賞した読書感想文を読んでみました。すると、どれも“本を読みながら疑問が浮かんでいること”が分かりました。

でも、一つの疑問が浮かんだ。何の気持ちももたない夕日もあるのではないだろうか。
[第65回小学校高学年の部 最優秀作品 「気持ちを景色に重ねたら」より]

「共に生きる」というのは、どういうことだろうか。
[第65回高等学校の部 最優秀作品 「『共に生きる』ということ」より]

というように。疑問を浮かべて、それを解いていくというプロセスは、読書感想文の構成として有効でしょう。本を読んで疑問に思ったことをメモして、謎を解いていく気分で読んでいくといいでしょうね。