ヤクルトは最下位にへこたれている場合じゃない!

新保 西浦(直亨)選手は、サヨナラホームランを打ったりして、初めよかったですよね? 山崎(晃大朗)選手もよくなったと思うのですが、いかがでしょうか?

真中 西浦は、序盤は非常に活躍しましたよね。ただ、せめてシーズンの半分くらいは続いてくれないと、本当の意味でレギュラーには食い込めません。1か月くらいいいことなら誰にでもありますからね。さらに力をつけていって欲しい。

山崎は、詰まることを恐れずに反対方向を意識しながら、しつこいバッティングができている。でも、ディフェンス面がまだまだですね。打球への寄りが悪いので、相手のランナーコーチに腕をぐるぐる回されてしまっています。自分で克服していかないと、打つだけではレギュラーは取れない。

山崎も西浦も、守備という面で力をつければ、もっと出場機会も増えるのではないでしょうか。

新保 今季はバレンティン選手がソフトバンクへ移籍して、ホームランは減ったとしても、守備は固くなったように見ていて感じるのですが、いかがですか? 

真中 得点力やディフェンス面など総合的に考えれば、僕はそんなにバレンティンがいなくなることでマイナスになる感覚は、まったくなかったですね。

ただ、補強という観点ではちょっと疑問があります。バレンティンと同じとは言わないまでも、打てる選手を獲得して補強と呼べると思うんです。守備の上手い選手は日本でも育てることができるので、エスコバーが20本くらいホームランを打てるのなら話は別ですが、やっぱり物足りないよね。巨人が楽天からウィーラーを補強しましたが、やっぱり動きが早かったという印象です。

新保 一方で、村上(宗隆)選手は好調ですね!

真中 そうですね、高卒3年目だからね。数字がすごいんで、周りが「村上!村上!」って盛り上げすぎて、僕が逆に大変なのかなって思ってしまうくらい、注目されていますよね。まあ、3年目であの数字ならもう十分ですよ。今年は、去年までになかった「声を出してチームを鼓舞する」といったこともしています。でも、僕は「村上、そんなに頑張らなくていいよ。山田(哲人)とか青木(宣親)がいるんだから、まだ自分のことだけに集中してプレーしていていいよ」と言ってあげたいよね。それくらい自分のペースでやって欲しいと思います。

▲チームをけん引する村上選手の活躍には少し頬が緩む真中さん

新保 その青木選手は年齢を感じさせない活躍です。

真中 若いときと一緒ですからね。ちょっと足が遅くなったくらいで、それ以外は何も変わっていない。山田はちょっと故障が多いけれど状態は上向くだろうだし、雄平も戻ってきて、打線はなんとかなるでしょう。あとは若手投手、高津(臣吾)監督が大いに期待している原樹理と高橋奎二に伸び伸びとしたピッチングをしてもらいたい。最下位にいてへこたれている場合じゃないですよ!

お話を聞いた人
 
真中満(まなか みつる)
1971年1月6日生まれ。栃木県出身。宇都宮学園時代は3年時の1988年に春夏連続で甲子園に出場。大学時代は東都大学リーグで4度のベストナインに輝く。1992年のドラフト会議にてヤクルトスワローズから3位指名を受けて入団。走攻守にわたり躍動し、99年には打率3割を達成。2001年にはチームの日本一に大きく貢献。以降も“代打の神様”として活躍した。現役引退後はヤクルトの二軍打撃コーチ、二軍監督、一軍監督などを歴任。就任1年目にチームを14年ぶりのリーグ優勝に導く。2015年のドラフト会議では、1位指名の選手を巡り、「交渉権獲得」と勘違いしてガッツポーズをするという伝説を残す。2018年からはニッポン放送など解説者として野球の魅力を届けている。

 『フリーアナウンサー・新保友映の「あの人に会いたい!」』は、次回10/9(金)更新予定です。お楽しみに!! 


聞き手
 
新保友映(しんぼ ともえ)
フリーアナウンサー。山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。『ニッポン放送ショウアップナイター』『板東英二のバンバンストライク』などでプロ野球の現場取材などを長く担当。その他『オールナイトニッポンGOLD』『高嶋ひでたけのあさラジ!』『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』『三宅裕司サンデーハッピーパラダイス』などニッポン放送の看板番組を務める。2018年6月よりフリーアナウンサーとして活動を開始。プロ野球の取材・コラム執筆、経営者のインタビュー、イベントの司会など、幅広く活躍している。
所属:B-creative agency (http://bca-inc.jp/)
出演:『大石久和のラジオ国土学入門』(ニッポン放送) https://www.1242.com/kokudogaku/