狙い目は地層がむき出しになっている沢や川

多くの地質図は「地形図」をベースにつくられている。したがって、地質図を解読するためには、地形図を読み解く能力も必要となる。

地形図は、現実世界における3次元の地形情報を、2次元の紙の上にまとめた地図だ。地形図において“マイナス1次元”の役割を担うのは「等高線」という線。文字通り高さが等しい場所を結んだ線だ。

日本における最も基本的な地形図の縮尺は、2万5000分の1である。この縮尺は、現実世界における250メートルが1センチメートルで描かれていることを意味している。およそ10両編成の新幹線が、あなたの親指の爪の幅よりも短く描かれている……と考えれば、そのスケール感が伝わるだろうか。なお、この2万5000分の1地形図における等高線は、高さ10メートル間隔が基準である。

化石を、というよりは、化石が含まれている可能性がある地層を探すときには、等高線と等高線の間隔が狭い場所で、そして、沢や川沿いを狙うことが多い。等高線の間隔が狭いということは、その場所が急角度の地形(たとえば、崖など)になっていることを示している。

▲狙い目は地層がむき出しになっている沢や川 イメージ:PIXTA

とくに日本における土地の大部分は、土壌に覆われている。土壌は一般的には「土」と呼ばれるものだ。土は有機物などの栄養分と水分をよく含み、植物が根をはるもので、基本的に土壌には化石は含まれない。そもそも地層はその土壌の下にある。「地層」と「土」は別物なのだ。

沢や川では、その岸と底が水の流れで削られている。そのため、土壌の下にある地層がむき出しになっていることが多い。地層がむき出しの崖こそ、化石を探しやすい場所なのだ。だから、地形図において沢や川沿いにあり、等高線の間隔の狭い場所がまず狙い目となる。