子ども時期からの地味な労力が大切な歯を守る!

これに対して、最も重要な部分、適切な歯の磨き方を説明するのは取っ掛かりから、かなり難しいのです。

また、ひとりひとり歯並びや特徴が異なるので商品になりません。言い換えれば利益になりませんので、企業は手を出しづらい領域です。

そして地味であり、なんのインパクトもありません。歯は簡単に磨こうと思ったら簡単にできますし、きちんと磨こうと思ったらそれなりの時間や労力が必要で、それらを皆さんに強いなければいけません。

庭の草取りといっしょで、玄関から門までの見えている草だけなら簡単ですが、庭全体の草となれば時間がかかります。誰にでも簡単に使えるような、人には無害の除草剤みたいなものがあればいいのですが……。

また人によって歯並びや顎・歯の大きさなど異なるため、一概に誰に対しても同じことが言えないときもあります(基本は同じですが)。

また、歯にかける力についても、何も意識しなくて問題のない人もいますし、かなりセーブしないといけない人もいます。当然ですが、同じことを言ってもレスポンスも違います。

このように、幹の重要な部分を理解して習得してもらうのは、とてもハードルが高くなってしまいます。

80歳でかろうじて20本の歯を残すためには、この重要な幹の部分に触れなくても可能だったかもしれませんが、余裕をもって残すためには、この部分に触れざるをえないのです。

それも、まったくピンとこない小学生のころ、遅くても中学生になるくらいから本気になっていただきたいのです。ということは、結局のところ親御さんの意識からです。高齢で歯を残すためには、二世代にわたる協力が必要となるのです。

▲子ども時期からの地味な労力が大切な歯を守る! イメージ:PIXTA