初めてことにチャレンジをするときなどは、一歩踏み出すことに躊躇してしまいがちです。しかし、いざ動き出して一度その物事に触れてしまうと、恐れるに足りないと気づくことも多い。成果を出している人は「時間」の大切さを知り、シンプルで効率的なことをしています。歯科医師として世界のトップレベルの人々と多く接してきた井上裕之氏が、シンプルな成功法則を教えてくれました。
※本記事は、井上裕之:著『効率がすべて』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
1時間をどう使うかを意識する
多くの人は、1時間の浪費くらいは、あまり気にしていないのではないでしょうか。時間の生み出す生産性に価値を強く感じていないからです。生産性の高い人は、1時間の浪費でも大きな損失だと考えます。
たとえば、ある工場で商品Aを1時間に1万個つくれる機械が1時間止まったら、大きな損失だということは誰にでもわかることでしょう。
『進化論』を唱えたチャールズ・ダーウィンは、こう語っています。
「1時間の浪費をなんとも思わない人は、人生の価値をまだ発見してはいない」
ちょっとした時間でも大切にしない人は、何かを生み出すことに価値を置いていない人なのです。では「やってのける人」はどうするのか?
結果を出す人は、常に行動から価値を生み出そうとします。
ちょっとした時間でも浪費すると、損なわれるものが大きいと考えているので、行動を止めることがありませんし、行動をサボるということもありません。
たとえば、300ページの本の中で本当に大切な部分が10ページだとしたら、結果を出す人はその10ページを知っている人に聞いて、読みます。結果を出せない人は、1ページ1ページ初めから読んで、しかも大切な部分かもわからないところを重要だと自分で思い込んでしまいます。
結果として、前者は生産性が高く、後者はただただ時間をムダにすることになります。できる人は、時間と生産性を意識しながら行動しているのです。
グズグズと先延ばししてしまう人の特徴
火のついた炭を敷き詰められた上を歩く火渡り。多くの人が、火傷をしたくないので渡ることを躊躇してしまうことでしょう。しかし、これに挑戦して見事に渡り切る人は、それをすでに渡り切った人について調べ、すぐに行動に移してしまいます。
実は、できないと思っていることでも、それをやってみると意外と難なくできてしまうことは多いものです。やってみると、想像するほど難しくなく、簡単にやってのけられてしまうものです。
実は、火渡りをするときには、足元に注意がいってしまうと熱いのですが、遠くを見て淡々と歩き進めると、熱さもあまり感じず、火傷をすることもなく渡ってしまえます。
物理学者で天文学者のガリレオ・ガリレイは、こう述べています。
「どんな真実も発見してしまえば誰にでも簡単に理解できる。大切なことは発見することだ」
よくわからない世界に行くとき、初めてのチャレンジをするときには、一歩踏み出すことに躊躇してしまいがちです。しかし、いざ動き出して一度その物事に触れてしまうと、恐れるに足りないと気づくことができます。
まだ見たこともないことを想像の世界で複雑に考えてしまうくらいなら、実際に見てしまうことです。見てしまったら、意外とたいしたことではないことが多いのです。
グズグズ行動できない人は、未知への挑戦を頭の中で勝手に複雑にして、達成は困難だと思い込んでしまいます。
結果を出す人は、未知の世界へ挑戦するときに、すでに経験し、達成している人の情報を集め、行動する人です。誰かがやれているのなら、それが自分にできない行動ではないと捉えます。誰かにできることは、自分にもできると捉えるのです。
結果を出せない人は、想像の世界に浸っている時間が長すぎて、実際よりも物事を難しく捉えているだけなのです。やってのける人には、得た情報の中で物事をシンプルに捉え、行動する力があります。