新鮮なもつと酒でひとり時間を過ごす贅沢

▲酎ハイの完成形ともいえる「ガリチュウ」。右はみんな大好きキャベツ

今更ですが、酎ハイのいいところは、さっぱりとした飲み口でいくらでも飲めるところでしょう。そんな酎ハイにガリを加えようと思ったのは誰でしょう。

きっと天才の仕事じゃないかって思うんです。だって、甘酸っぱいガリのタレが追加されることで、ショウガのさっぱりさに背中を押されて、炭酸の風味も和らぎ、焼酎の個性もそっと顔を出す。ガリはつまみになるから、飲んでつまんで、とグラスの中で世界が完結する。さらにガリは健康にもいいときた。もはや欠点が一つも見つからない。

ゼロカロリーを超えて、もはや酒飲みの完全食と言えるかもしれない。明日からは、みんなでガリチュウを頼んで健康になろうじゃありませんか。 

▲週に何度も訪れるという常連さんは、定位置で野球中継を見ながら晩酌を。店内のテレビではベイスターズの試合が流れています

なーんてくだらないことを独りで考えて、勝手に盛り上がっていたんだけど、隣を見ると常連さんらしき男性が一人で酒を飲んでいます。きっとお気に入りのメニューがあるんでしょうね。

酒の入ったグラス片手に、ときどきつまみを口に運びながら、野球中継を楽しそうに見ている。なんて素晴らしい時間の過ごし方なんだろうと、私は静かに感動するわけです。女性のひとり客もちらほらと見かけます。むやみに話しかける無粋な御仁もおらず、女性はこれまたスマホでドラマなんかを見ながら、気持ちよさそうに串をほおばりビールで喉を潤している。いいなあ。

▲締めのもつカレーも絶品

グループでワイワイ楽しむサラリーマンや、ひとり時間を楽しむ黄昏中年たちが混在する、汽水域みたいなこんな店が家の近くにあったら、どんなに幸せな人生だろう、と私は思いを馳せます。

きっと毎晩飲んで、足を腫らして、うんうん唸って、それでも飲みにいくに違いない。楽しそうだ。もしかすると、川崎と横浜という大都市に挟まれた「鶴見」という街だから、こういう雰囲気の店が成立するのかもしれない。私は鶴見が大好きになりました。だってこんな良い店があるんだから。

 ▲食べ終わったお皿は、こちらにセルフで戻しましょう。

さて、たらふく飲んで食べたところで帰るとしましょう。

キャッシュオンのいいところは、会計になって「こんなに飲んだっけ」と焦らないところだ。心ゆくまで飲んだから財布は寂しくなったけど、楽しかったからいい。「そろそろ帰りますね」と声をかけたら、愛想の良い美人さんが微笑んでくれて、奥で不器用そうな店主がそっと頭を下げたのが見えた。きっとご夫婦なんでしょう。これからも仲良くお店を続けてほしいと思いました。この店がある限り、この街の酒飲みが寂しい思いをすることはないだろうから。

さて、いい気分になったところで、失礼しますね。ああ、良い気分だ。

さて、次はどこの店へ行こうかしら。ふらりふらりと次の街へ。

『立ち飲み・マイ・ラブ♡ - 痛みに負けるな!-』は、次回11/20(金)更新予定です。お楽しみに!!

〈店舗情報〉
鶴見川橋もつ肉店
住所:神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央2-9-15
電話:045-947-3921
営業時間:16:00〜23:00(日曜~22:00)
定休日:月曜日
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店前にご確認ください。