地上数十メートルに広がる贅沢な空間

ランチタイムに配達で向かった千代田区のオフィスビルも印象的でした。

「オフィスビルの裏側に居住者専用の入り口が……」と注意事項が書かれていたので「これは屋上庭園レジデンスだな」と思いつつ、目立たない入り口から最上階にある住宅スペースへ。

エレベーターの扉が開くと耳に入ってきたのは鳥のさえずる声、ではなく水の流れる音。水音が聞こえてくる方向に目をやると、小川が流れていました。手入れされた芝生と小川の周囲に植えられた木々。

エレベーターに乗って押したボタンは、確か25Fという数字だったのですが……。

▲地上25階を流れる小川のせせらぎ イメージ:PIXTA

立派な日本庭園を取り囲むように通路があったので、庭園を眺めつつ、お客様の住む部屋に向かい商品を届けました。松屋の牛焼肉定食でした。

一番驚いたのは中央区にあった、とあるビル。

例によって裏側から入り、1階と最上階しか停まらないエレベーターに乗り、扉が開くと目の前に開けたのは、通路沿いに住居の扉が並ぶ、ごく普通のマンションの光景でした。

どんな世界が待っているのだろうと、ドキドキしていただけに思わず拍子抜け。

ところが、番号を確認しながら届け先を目指しますが、指定された部屋の番号はどこにもありません。迷っているのがわかったのか、そうこうしているうちにお客様から連絡が入ります。

指示された通りに、フロアの最奥にあった屋外に向かう扉を開くと、そこには石畳の小道ときれいに手入れされたバラの花。

▲扉を開くと、まるで異世界だった イメージ:PIXTA

イングリッシュガーデンのような庭を歩いていくと、屋上庭園の一角に住宅が建てられており、そこに指示された部屋の番号が書かれていました。

お届けした商品は、カレーライスでした。もちろん松屋のです。

▲上級国民もカレーは大好き イメージ:PIXTA

お金を持っている方が、なぜ松屋好きなのかはよくわかりませんが、都心の中に突然異世界が広がる屋上庭園レジデンスは、何度配達に行っても不思議な感じがする世界なのです。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は、次回11/27(金)更新予定です。お楽しみに!!