「睡眠」がストレス耐性のある強い心を育む

メンタル面での修復に睡眠が不可欠であることは、多くの人の知るところだろう。しかし、ただやみくもに眠ればいい、というわけではなさそうだ……。

中医学では「子午流注」という考え方があり、これは五臓六腑のそれぞれが活発に働く時間帯に則って生活することをすすめるもの。それによれば、理想的な睡眠スタイルは、午後9時頃にベッドに入り、午後11時から午前3時まではしっかり眠ること。午後9時から11時までは、血や消化吸収した水分を体内でスムーズに運べる時間帯で、この働きが弱ると体内に不要物が溜まりやすくなってしまうのだとか。

もちろん、午後9時頃にベッドに入ることは難しいという人がほとんどだろう。しかし、中医学の基本的な考え方では「心と体は同じもの」。ますは5分でも10分でも早くベッドに入ることを心がけてみてはいかがだろうか?

▲「睡眠」がストレス耐性のある強い心を育む イラスト:林 ユミ

櫻井先生は、SNSでも本でも、臆することなく、こうメッセージを送り続けている。「つらいときは逃げていい」と……。たとえストレスに潰されそうになっていても、“逃げること”には、どうしてもマイナスのイメージがつきまとうもの。しかし、人生には逃げる、否、危機的状況(ストレス)からの“脱出”が必要な場面もあるのだと、櫻井先生はやさしく語り続けている。

自分のストレスの正体をしっかりと把握し、対処し、それでもしんどいなら……迷わず“逃げる”ことも、あなたの選択肢のひとつに加えておいて欲しい。

選択肢は、つねにあなたの手の中にある。「頑張らなくていい、休んでいい、笑っていい、楽しんでいい、日々楽しく過ごしていいし、そのために逃げたっていい」……そんな櫻井先生の言葉こそが、ストレスにまみれて働くあなたへの、世界一やさしく、もっとも効果的な“処方箋”なのかもしれない。

▲気楽に、気うつ消し/櫻井大典