新型コロナウイルスの脅威で、世界中が不安に陥って久しい。あふれる情報、飛びかうニュース……それでも先行きの見えない事態に、ただ“生きているだけ”でも、多くの人がそれぞれの不安を抱えていることだろう。それはまるで、あたかもそこら中にストレス源という“時限爆弾”が時を刻み、今か今かと、あなたの心が砕け散るのを待っているかのように……。

そんな中でも、あなたは日々、働いていることだろう。不安を抱えつつも電車に乗り、目の前の仕事をこなし、家族を養い、日々の生活を“これまで通り”こなそうと、このストレス社会に慣れてしまっている。しかし慢性的なストレスは、確実にあなたの心と身体を蝕んでいる……。

そんな致命的な落とし穴に陥ることがないよう、ここでは多数のベストセラーを持ち、SNSで日々わかりやすい養生情報を提供し続けている人気漢方家・櫻井大典氏の新刊『気楽に、気うつ消し』(小社刊)から、働くあなたが陥りやすい“4つのストレス”を取り上げるとともに、その対処法をくわしく紹介していく。

そう、あなたはストレスには「4つの原因」があることを、ご存知だろうか?

ストレスの原因を「可視化」せよ!

先に述べた通り、私たちは日々の生活を送っているだけで、さまざまなストレスにさらされている。そして、そのストレスは時限爆弾のごとく、スイッチを切らないかぎり(意識的に解消しないかぎり)、自然に消えることはない。そこで、最初に大切なのは、客観的に自分のストレス傾向を知ること。生理学者のハンス・セリエはストレスの種を「ストレッサー」と名付けて、次の4つに分類した。

さあ、あなたの「ストレッサー」は、どれに該当しているだろうか? おそらく複数にまたがる人が多いはずだが、それを“自覚”できていない人も少なくない。まずはここで、自分のストレス源をしっかりと認識しておこう! 

■物理的ストレス

気温や気圧等の気象条件、雑踏の喧騒や工事現場の騒音、ネオン看板の強い光、不快な匂い、放射線など、特に、都会にあふれているストレッサー。

▲都会に多い物理的ストレス イラスト:林 ユミ

■化学的ストレス

食品添加物や洋服の化学繊維、化学薬品や薬など。化学繊維で肌荒れを起こす、薬を飲んで蕁麻疹が出るなどの症状となって現れます。光化学スモッグや排気ガス等の公害、酸素が少ない場所に滞在することによる影響も含まれます。

■生物的ストレス

ウイルスや病原菌がストレッサー。今は、世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされ、ストレスフルな状態にあるといえます。

▲新型コロナも生物的ストレス イラスト:林 ユミ

■心理的ストレス

主に人間関係や環境などから呼び起こされる、怒りや悲しみ、喪失感、緊張、不安といった感情がストレッサーになるケース。他人の言動や環境の変化に敏感な人ほど、強いストレスを感じる傾向があります。

これらの「ストレス」の傾向と対策をチェックするためには、自分が何にストレスを感じ、その都度、どんな行動をとったかを書き出す「ストレスノート」がおすすめです。