健康増進法の改正により、さらなる苦戦が囁かれているパチンコ業界。そんな中で早くから「全席禁煙」に舵を切っていたのが、業界のオピニオンリーダー『株式会社マルハン』の人気店舗『マルハンなんば新館』です。
こちらのホール、空気も綺麗ですが、景品の充実ぶり、さらには台セレクトまで「きっと店長は只者でない!」……ということで、店長・石橋美紀彦さんの〝パチンコ愛〟〝パチスロ愛〟、さらにはお客様へのアツい思いまで余すことなくお伝えします!

マルハンの存在を認めていただくことは絶対に必要

マルハンなんば新館

――ここまで2回にわたり、「全席禁煙」について詳しくお聞きしました。今回は、より幅広いテーマについてお聞きできたらと思います。まずは『マルハンなんば新館』さんと地域のつながりについてお聞かせください。

石橋店長 この時期に(取材をしている1月10日には)なんばでは『十日戎(とおかえびす)』というお祭りがありますが、毎年、私たちも地域のさまざまなお祭りのお手伝いをしています。私も商店街のはっぴを着て、朝からずっとマネージャーと一緒にお酒を振る舞ったりしていました。

なんば新館は、地域商店街の中心に位置し、しかも若いスタッフが多いので、協力できることはすごくたくさんあります。十日戎もそうですし、『地蔵盆(じぞうぼん)』といって、近くにあるお地蔵さんの法要が夏にあるのですが、そのお手伝いをしたりと、地域の催し物には積極的に参加しています。商店街の方からは「また次もお願いね。4名くらい出してくれると助かるな」なんて言われると、「任せといてください。若い人が多くいるので、どんどん手伝いますよ」といった感じです。

――地域密着型ですね。ちなみにほかの店舗はいかがでしょうか?

石橋店長 もちろんなんば新館だけではなく、日本各地のマルハンの店舗でも地域のお祭りなどの行事に積極的に参加していて、そういった報告は上がるようになっています。それぞれの地域でも、なかなか地域の若い人が集まらなくなっていることもあり、「おみこしのお手伝いをして感謝の言葉をもらいました」といった嬉しい声も聞きます。

やっぱりパチンコ店というと、歓迎されない風土がまだまだあると思うので、地域の方々に愛されるように、あるいは「私はパチンコはしないけれど、マルハンさん手伝ってくれてありがとう」というふうに言っていただいて、その存在を認めてもらうということは絶対的に必要だと思います。

だからこそ店として、あるいはその地域を愛する個人として、お祭りや清掃活動などの行事にはどんどん参加するようにしています。先日も大阪マラソンの前に清掃活動があったのですが、この地域のマルハン8店舗ほどから、30~40人くらい集まって清掃して回ったりしました。マルハンが地域のお客様に認めてもらうために、少なくとも「そこにあっていいよ」と言ってもらうために、そういった取り組みは意識して会社全体としても取り組んでいます。

震災の時にコミュニティの場としてもお役に立ちたい

――地域とのつながりといえば、震災時の存在意義についてはいかに考えていますか?

地域貢献や震災対応について聞くと真剣な表情に

石橋店長 たとえば大きな地震のあとに、おじいさんやおばあさんが翌日に遊びに来られるというのも正直、複雑な思いもあるのですが、「寂しいから」あるいは「怖いから」という気持ちから、マルハンに来ていただけることもありました。マルハンがそこにあることによって、気持ち的に少しでも楽になっていただければ幸いです。

そういうコミュニケーションの場として私たちの存在意義だとか社業の意味を見いだしていかなければと、災害などがあると毎回強く感じています。実際、災害時にはパチンコ店が役に立つかもしれません。立体駐車場がある店舗であれば、津波や大雨などの際に避難場所に使えるかもしれませんし、多少なりとも備蓄食料はあります。ヘルメットやライトなどの防災グッズなども必ず設置しております。

いざというときには、積極的に地域に貢献できる準備や心構えもありますし、会社からもそういう指示があります。実際、台風のときに店舗から(お客様が)出られなくなってしまうというようなことも発生しました。そのときはできる限り安全になるまで店内で待っていただくように声がけさせていただきました。

――2018年には超大型台風21号が関西圏を襲いましたね。

石橋店長 台風21号が関西に上陸したとき、マルハンの岸和田店では周り一帯が停電になりまして、電柱がなぎ倒されるような状態になったそうです。その日、岸和田店はちょうど店休日だったのですが、店長が「うちのお店は電気が通っているのでお困りの方は来てください」とツイートしました。

営業中だと、18歳未満の方は店舗内には入れないのですが、その日は店休日だったので、「どなたでも来てください」とツイッターで呼びかけたわけですが、実際に「うちが停電で携帯の充電もできないんです」という方が来てくださったそうです。また、店舗の隣に飲食施設があったので、翌日販売する予定だったメニューをお客様に提供したというエピソードもありました。

――パチンコはどうしても負のニュースが目立ちがちですが、こういった社会貢献については伝わりにくい。でも、誠意を持ってやっていくしかありませんね。

石橋店長 今、マルハンの西日本営業本部が大事にしているキーワードは「地域に愛されるお店にしよう」です。どうしても自分の住む町にパチンコ店がオープンするとなると眉をひそめる方が多い。とはいえ、私たちがそこに営業させていただいていることを少しでも喜んでいただける方に増えてもらいたい……このキーワードがあるので、常に地域の人に喜ばれるために何ができるかを考えています。先述の『十日戎』もそうですし、通天閣の清掃もそうですね。震災対応もその最たる位置づけです。