自分の中の「あるある」しか動画にしない
――「高校生あるある」のネタは、どうやって考えているんですか?
有輝 いつも家のベッドに寝っころがりながら、思い出してます。通っていた高校の情景を頭に浮かべて、そこから細かく掘り起こしていく感じですね。シチュエーションで思い出していくなかで、一つのアイテムから芋づる式に連想ゲームみたいな感じで出てくることも。
例えば、黒板から「黒板に解答を書きに行って、帰るときに机にぶつかって恥ずかしがるヤツ」を思い出して……「指名される」「黒板に書く」「戻ってくる」で3つに膨らませられるんですよ。ひとつ出るとノってきて、けっこうバンバン降りてくるので、思いついたそばから、スマホのメモに残していくんです。
――基本的に有輝さんの記憶からなんですね。動画のタイトルも思い出したタイミングで?
有輝 そうですね。思い出したときにすぐ。メモるときに、~なヤツでメモってそのまま使います。
――撮影する際の画角やセリフの掛け合いは、事前に打ち合わせをするんですか?
卓也 いや、全く決めてないです。返しのテンションだけこんな感じで、みたいな指示があるくらいでセリフも決まってないので、その場の流れですね。
有輝 カメラを止めるタイミングも決めていないので、お兄ちゃん次第なんですよ。
――動画を作るうえで一番気をつけていることはありますか?
有輝 自分が納得する、これはあるな!っていうものしか動画にしていません。例えば誰かにこういうのどう?ってアイデアもらっても、自分の中にはないものだと、落とし込めないんですよ。たまにコメント欄でかぶってるときはあるんですけど、それもあくまで自分の中にもあるからできる。やっぱり自分の中にないものは、あのテンションじゃできないですよ!
――そういったリアルなあるあるにこだわったからこそ、フォロワー90万人、再生回数5億回という数字に到達できたんですね。“見られている”という意識も出てきましたか?
有輝 楽屋の延長から積み上げてきたものが、いろんな方に見て頂けるようになってきたということなので、あまり意識はしてないです。「もっと、ちゃんとやんなきゃ」とも思わないですね(笑)。
卓也 全然ないよね。僕たちは1000円くらいの自撮り棒にスマホを付けて撮影しているんですけど、せっかくだからもう少しいい手振れ補正付きの棒に変えようか、みたいな案が一瞬出たんです。ちょっと考えてみたら、あの友達が撮っているようなリアルな感じがいいんじゃね?って。それをフォロワーが増えたり、再生回数が増えたからって、変えない方がいいんじゃないかって。
有輝 ずっと、この感じでやろうよって話したね。
卓也 いい意味でのゆるさ、適当感は残したい。
有輝 高校生がやっているような不完全さがいいと思うんですよね。