冬の5号機時代に颯爽と登場した革命機『2027』
当時のメーカーは苦慮されたと思います。重いボーナスにオマケのRTを付けたような台。この頃の台を、僕は「昔のパチンコの現金機みたいだな」と思ったことがあります。「RTが付けられるといっても、それって早い話、時短と何も変わらないよなー」という印象です。
「連チャンさせたければ、メダルが減りにくくなっているRT中に、もう一度自力でボーナス確率を引いてね」というゲーム性。パチンコのように確率変動も搭載できません。例えば、4号機で大ヒットしたような『北斗の拳』に代表されるような「継続率によって、どこまで連チャンするかわからないゲーム性」というのが、実現できなくなってしまった。そう思いました。実際、最初の頃はできなかったんですけど。
それどころか、ボーナスの枚数すら規制されて「〇〇枚の払い出しで終了」という規則まで付いてきてしまいました。これによって、リプレイ外しによる大幅な枚数の増減のような、強烈な技術介入機も作れなくなったのです。
そんな、似たり寄ったりのゲーム性が多かった厳しい時代の中で「えっ、マジで? そんな台が出たの?」という噂を聞きつけて、打ちに行った台があります。それが『2027』(JPS)でした。
5号機の歴史を振り返るときには、避けて通れない台でしょう。打っていた方、好きだったという方も、すごく多いのではないでしょうか。潜水艦による海戦がモチーフの「バトルタイプのART機」でした。
2027という台は、高確率でボーナスが成立する台でしたが、ボーナスで増やす台ではありません。「ボーナスが成立した後の、リプレイ高確率状態で、ナビに従うことにより出玉を増やす」という仕組みの台だったんですね。メインART「BATTLE MODE」に突入すると、70%から最大95%で、1セット20ゲームのARTがループするという仕様です。純増は1.5枚程度と、到底4号機にかなう出玉スピードではありませんでしたけどね。
でも、それまでの5号機がやれなかった『北斗の拳』に似たような、特定継続率を持ったシステムを実現しているというのは、画期的なことだったんですよ、当時。出玉スピードは遅いけど、5号機の枠組みの中で「どこまで出るかわからないゲーム性を実現している」と聞いて、それまで若干疎遠ぎみだったパチスロに僕を引き戻したのが、この台でしたね。
〇2007年に一世を風靡した『2027』 [夜勤明けパチンコパチスロ実践記さんのYouTubeより]
実際は70%の継続率なんて、そんな長続きしないのは、皆さんご存じのとおりだとは思うのですが、それでも最高継続率を引っ張ってくれば95%もあるわけですから、相当な「夢」が詰め込まれた機種だったのは間違いありません。これまでの台みたいに「100GのRT中に、また1/300のボーナスを引かないと続かない」というわけではなかったんですから。
ARTのセット数が進むのに合わせて、ストーリーが進行するというのも斬新でした。だいたいの場合は、すぐに終わってしまい「この後、話、どうなんねん!!!」ってなるんですけどね(笑)。そういった要素も重ねて「続きが見てみたくて、また打ちたい」という欲求をかき立てるというのも画期的でした。セットの中盤10G目で、潜水艦から泡が出たら継続確定なんだよなー。いやー、懐かしいですね。
この台のART中は、常に「ボーナス成立後」という状態だったので、うっかりボーナス入賞させてしまうとARTはそこで強制終了です。たまにボーっとしててボーナス入賞させてしまって「ジャックイ~ン!!」って声がシマに響き渡った! なんていうのも、この台の思い出を語るときのお約束ですね(笑)。