「台の仕組みに対する考察」に楽しさをおぼえた
このあと、5号機は進化を遂げ、若干ではありますが規制が緩和されていきます。今となってはお馴染みとも言える、押し順リプレイに従うだけでARTに突入させることも可能になっていくのですが、当時の規則の中ではそうするしかなかったのよね、たぶん。
こういった厳しい規則の枠組みの中で「なんとかしてやろう」というような台が、次々と発表されていった時代でしたね。実は、これをきっかけにして、僕は変な方向に目覚め(?)始めます。いちユーザーの目線としてなら、パチンコ台もパチスロ台も「面白くて、出ればいい!」のです。僕もそう思う。でもね、この頃から、そういったものと別の面白さに気づき始めるんですよ。この業界、独特といってもいいかもしれません。
パチンコやパチスロは、厳しいルールの中で作られています。しかし、そんな規則に縛られつつも、各メーカーは工夫を凝らして、いろいろなスペックを試み、リリースしようとしているわけです。その努力は、出来上がった台を打つ大半のユーザーには関係ないところです。
ですが、そういった規則という「しがらみ」みたいなものが、少しずつわかってくると、なんていうのかな。「台の仕組みに対する考察」みたいなのが、すごく楽しくなるんですよ。
例えば、厳しい規則の中で、まったく新しいシステムを実現した台を見たときに「なるほど、その手があったのか! そんなこと思いつきもしなかった!! 面白い!!!」という感情が芽生えるようになったのです。
「開発者の目線」に近い部分があるかもしれませんね。前述のとおり、大半の人はそんな感情を持たないことでしょう。「規則の中で、台の仕組みが、どのような方法で実現されているか」まで踏み込んで面白いと感じるのは、相当にパチンコやパチスロが好きな人ですね。
「出る、出ない」「勝った、負けた」みたいな概念とは、まったく違うところです。「規則や仕組みを理解すると、また新たな楽しみ方ができるんだな」と考えるようになったのです。
逆に、新しい台が出たときに、これまでにない仕組みだったりすると「いったいどうやって、そんなことを実現したんだ!?」と気になり始めるのです。この感情は(わかる人はわかると思うんだけど)上手く伝わらないかもしれません。
なんていうのかなぁ。う〜ん、フライパンが使えないのに、目玉焼きを作るにはどうしたらいいか考えるのが楽しい、とでもいうのかなあ。ちょっと違うかなぁ。でもニュアンス的にはそんな感じですね。
こういう業界ですから、やりすぎると怒られてまた規制になってしまう……という歴史も繰り返されてきていますし、それが果たして良いのか悪いのか、というのも、この業界ならではだと思うのですが。
ちょっと、僕の人生からは逸れますが、後編では「僕がよく作ったなあ、これ」と感じた台でも挙げてみましょうかね。「あ、システムが面白い」というだけで、世間一般で評価されたかどうか、というのはまた別のお話ですので、念のため。
『帰ってきた1億2000万分の1の激アツ人生』の後編は、12/30(水)更新予定となります。お楽しみに!!
〇1GAMEいきなりヨースケ#59【パチンコ】