「ほんやくこんにゃく」「近道マップ」「観光ビジョン」……これらは日本人なら誰もが知っている『ドラえもん』が、四次元ポケットから出す「ひみつ道具」ですが、テクノロジーの飛躍的な進歩によってすでに実現しています。そして、その「ひみつ道具」には、新たなビジネスのヒントがあるのです。ドラえもんを「ワクワク」しながら見ていた頃を思い出して「新しい仕事」で稼いでみませんか? テックビジネスを成功させた吉角裕一朗氏に話を聞いた。

※本記事は、吉角裕一朗:著『「まだない仕事」で稼ぐ方法』(ワニ・プラス:刊)より一部抜粋編集したものです。

「できない」の決めつけに脳がシャットダウン

今から10年ほど前のことです。「もうすぐ空飛ぶ自動車ができるよ」と私が言ったら、100人中100人全員から「そんなことはないよ」と否定されたのを覚えています。ところが今、実際に空飛ぶ自動車が完成し、発売され、そして世界中に広がろうとしています。

「自動車は空を飛べないよ」と最初から決めてかかる人は、固定観念に囚われてすべての可能性に蓋をしてしまいます。子どもの頃はどんなことだって叶うと思っていたのに、その夢を忘れてしまっているのです。

この夢のことを「空想力」と言います。空想力とは夢を現実にする力のことです。もしそれが可能になったとき、人は感動してたくさんのお金を払います。ですから、夢を叶える人は成功者となり、間違いなくお金持ちになるのです。逆に夢を持てない人は、自分の肉体を使って毎日長時間働くだけで、少しのお金しか手にできません。

世界的に有名な自動車メーカーの本田技研工業(ホンダ)の創業者・本田宗一郎氏は、小学生の頃に飛行機に憧れ、アクロバット飛行ショーを見に行ったそうです。若き本田少年は「自分も空を飛ぶ飛行機を作りたい」と思い、30年以上社内で研究を続けました。

ホンダがジェットエンジンの開発をしていたことはあまり知られていませんでしたが、この執念の研究はやがて実を結び、ビジネス用ジェット機「ホンダジェット」として、世界中の空を飛び回るようになりました。

世の中には否定から入る人と肯定から入る人、これまた2種類の人がいます。否定から入る人は、最初からできないと決めつけているので、自分の脳が「できない状態」を作ってしまうのです。

例えば受験でも「こんな難関校には受かりっこない」と思って勉強するのと、逆に「この大学に入れたら素晴らしい人生が待っている」と思って勉強するのとでは目標達成力がまるで違います。「できない」と決めつけた瞬間に、脳がそれを達成するための情報を遮断してしまうので、結局できない人生が繰り返されていくのです。

▲「できない」の決めつけに脳がシャットダウン イメージ:PIXTA