どんどん商品化されている「ひみつ道具」

『ドラえもんのうた』を知らない日本人はいないでしょう。1979年に放送を開始したテレビアニメ『ドラえもん』の主題歌です。コミックは世界で約2億5000万冊売れ、この歌も世界中でうたわれています。

この歌のなかでは、未来の便利グッズのことを紹介しています。未来の科学の最先端の「ひみつ道具」への憧れを歌詞に込めているのです。そして、この歌を聞いた私たちの心のなかでは、きっといつか未来の不思議な便利グッズを使いたい、という夢が大きく膨らんでいきます。そう、ドラえもんは私たちの夢を叶えてくれる可能性の象徴なのです。

実際、年を追うごとに人類のテクノロジーは進化し、ドラえもんの「ひみつ道具」も、毎日のように実現しているのです。

例えば、ひみつ道具「近道マップ」は、近道を教えてくれるアイテムですが、今では誰もが使用するデジタルツールとして、数々の地図アプリが存在しています。

▲どんどん商品化されている「ひみつ道具」 イメージ:PIXTA

ひみつ道具「ほんやくこんにゃく」は、食べるとどんな言葉でも通じるようになるこんにゃくです。これもすでにGoogle翻訳が外国語の文章を日本語に変換したり、その場で文章を読み上げてくれています。しかも、世界中にある言語100カ国語以上を同時に音声翻訳できてしまうのです。また、POCKETALK®(ポケトーク)はポータブルな双方向のAI音声通訳機で、74の言語に対応しています。

さらに、ひみつ道具「観光ビジョン」は、緯度と経度を合わせると地球上のどこの景色でも見ることができるというものですが、これもすでにGoogleストリートビューとして存在し、私たちは自宅にいながら、世界中のどこの場所でも見られるようになりました。

私はドラえもんのポケットの中から出てきた道具を数えていきました。すると、ひみつ道具は2000種類以上にもなったのです。そして、それらを詳しく調べていったところ、すでにその5%にあたる100種類以上のひみつ道具が商品化されたり、市販されたりしているのです。このままいけば、あと数年以内には10%くらいのひみつ道具が商品化されるに違いありません。

今、時代は日進月歩で変化しています。そして、それを支えているのは科学でありテクノロジーです。現在から20年前にIT革命の時代がやってきました。そして、そのIT技術を活用して新しいサービスを生み出した人の多くは大成功し、巨万の富を築きました。そして20年後の今、まったく同じことが起きようとしているのです。

ドラえもんは“開発”したわけではない

別に新しいテクノロジーを開発しましょう、ということではありません。誰かが開発したテクノロジーを使って、新しいビジネスを作り出そう、ということです。

ドラえもんは、自分で「ひみつ道具」を開発したわけではありません。ドラえもんも「誰かが開発した道具」を“使っていた”だけなのです。

今あなたの目の前にあるテクノロジーを知ること、使うこと、そして新しいビジネスを考えること、これが新しいビジネスを作る近道です。新しい技術を開発することは並大抵ではありません。しかし、新しい技術を使って新しいビジネスを作ること、はあなたにもできるのです。

私はIT革命より大きなビッグバンを作り出す、この時代のことを「テック革命時代」と呼んでいます。IT革命の10倍、100倍の成功者を作り、そして富も生み出すことができると思っています。

ただ単に時代の最先端のテクノロジーやその進化を知るだけでなく、1人ひとりがそのテクノロジーをビジネスに使えるようになってほしいと思っています。そして、たった1つのアイデアが、もしかしたら世の中を変えるサービスを作り出せるかもしれないのです。ぜひあなたもテック革命が引き起こすゴールドラッシュの波に乗ってください。

次にテックを使って新しいビジネスモデルを生み出すのは、あなたなのです。