「8」を連続させると日本では拍手、中国ではバイバイ
現代のインターネット文化では、アラビア数字も文末表現として活用されています。
例えば、ニコニコ動画では、先ほどの「wwwww 」や数字の連続「888888888」 もよく流れますが、この「888」の意味はわかりますか? そうなんです「パチパチパチ」という拍手音を指しています。
こうしたアラビア数字を使った当て字は、インターネットのあちこちで見かけます。が、国によって全然意味が変わる場合があるので注意が必要です。
例えば、先ほどの「8」は日本では拍手音を表しますが、中国では「88」=「バイバイ」を意味します。
タイでは、笑いを表すのに「5」という数字がよく使われています。5は「ハー」のように発音されるので「555」は「ハハハ」という笑い声を表しています。5555555や555+などと書かれると、笑いの勢いが増していることが感じ取れますね。ところが、同じ「555」は、中国では「泣く」という反対の意味で使われています。(「呜呜呜」という泣き声と発音が同じため)
ちなみに、日本で数字の当て字文化は歴史が意外に深く、万葉集にまでさかのぼります。
例えば、この歌が有名ですが、何か所も数字を当てていますね。
言云者(ことにいへば)
三々二田八酢四 小九毛 心中二 我念羽奈九二(巻十一・二五八一)
口で言えば 無造作に聞こえるのですが 一方ならず 心の中では 私は思っているのです
その他に、戯書と呼ばれますが「十六」と書いて「獅子(しし)」と読ませる例や「八十一」と書いて「クク」と読ませる例など、九九を活かしたことば遊びも多く見られます。
情(こころ)八十一[グク](巻四・七八九)
心が晴れないで二八十一[ニクク]あらなくに(巻一一・二五四二)
憎くないのに
もっと身近な例に「よろしく」を「4649」とする、ポケベル時代に流行っていた独特な当て数字があります。携帯電話の普及以前で、ポケベルでは数字しか送れなかったため、数字の語呂合わせでメッセージのやり取りをする、という使い方が広まっていました。
ちなみに「4649」は「四六四九」の形で、江戸時代にすでに使われていました。 滝沢馬琴によって当て字にされ、4x6+4x9=60、なんと「60回もよろしく」という意味まで込められていたとされています。[笹原宏之『当て字・当て読み辞典』三省堂/2010年]
私が知っていたのは「4649」ぐらいですが、あらためて調べてみると、他にもさまざまな組み合わせがあってビックリしました。みなさんは読めますか?
- 0840(おはよう)
- 0906(遅れる)
- 3476(さよなら)
- 724106(何してる)
- 3614(さむいよ)
- 4510(しごと)
- 999(サンキュー)
なかなか難解ですね。これを見ると最初のwwwwや888888がシンプルに見えてきます(笑)。