自宅待機中にアメフラっシの歌は歌えなかった
だが、愛来がそんな不安を抱えているとき、ステージに向かっていた3人は「やっぱり、アメフラっシには愛来がいなくちゃダメだ!」と痛感していたという。3人で大丈夫なのか、という不安。それと同時に「3人だとやっぱりパフォーマンスが落ちるね」とは言われたくない意地もある。いろんな気持ちが絡まって、出番直前まで3人はガチガチに緊張しまくっていたそうだ。
この活動休止中には、ニコニコ生放送で月イチ配信しているレギュラー番組『アメフラっシ熱い魂の公開げいこ(Re)』の放送もあったのだが、愛来がいないぶん、席を詰めて座ったら、小島はながセンターポジションに。
「いやぁ〜、ずっと『早く端っこに行きたい!』って心の中で思っていましたよ」と小島はなは笑った。やっぱり、ここは愛来が座る場所だ、と。
一方、鈴木萌花は「3人しかいないので、画面が寂しく見えないように拍手とかリアクションを、とにかく大きく見せるように意識しました」と振り返る。
ライブイベントというアウェーの場、そして冠番組という超ホームの場。その両方で愛来不在のイレギュラーな状況を体感できたのは、メンバーにとっては結果として得難い経験となった。
「ただ、私は元気だったし、結局、濃厚接触者でもなかったので、あぁ、これからの時代って、いつこういうことになっちゃうのかわからないんだなって。元気だから、家にいてもずっと音楽に触れることだけは休まなかったんですけど、やっぱりアメフラっシの歌は歌えなかったですね。いまごろ、みんな活動しているんだなって思ったら、ちょっと……だから、とにかく楽しく、好きなアーティストさんの曲を歌いながら、いつでもステージに戻れるように準備していました」
しみじみとそう語った愛来。たしかにエンターテインメントの世界に限らず、こういった事態に遭遇してしまうケースは、もはや珍しくなくなっていくのかもしれない。そんな状況下で、それぞれが「3人はすごい」「愛来がいなくちゃダメ」と再確認できた。
すなわち2020年、おのおのがどれだけ成長できたのかを冷静に見て、認め合う機会が与えらえた、ということ。年の瀬の思わぬ事態だったが、結果としてプラスに作用してくれたようだ。