内藤るなの宣言どおりアドレナリン全開のライブ

▲『Luna FESTIVAL』は内藤るなの10代最後の日
▲「10代最後の姿を目に焼きつけてほしい」という言葉以上のパフォーマンスを披露

この日は、内藤るなの10代最後の日を彩る『Luna  FESTIVAL』というイベントが、恵比寿ザ・ガーデンルームで行われた(翌23日が彼女の20歳の誕生日だった)。1日3回公演、しかもすべて内容が違う、という贅沢な趣向である。

本来であれば3回すべてを観覧したうえで、この記事を書くべきなのだが、急きょ、このライブレポートの枠を確保したこともあって、どうしても第2部にしか足を運べなかった。3つの異なるライブを縦断するレポートを期待されていた方には申し訳ないが、その部分はご容赦いただきたい。

内藤るなにインタビューをしたのは11月のこと。この時点では、まだ『Luna FESTIVAL 』の詳細は決まっておらず、1日3回公演ということすらアナウンスされていなかった。本人も「10代最後の姿を目に焼きつけてほしい」という点を強調していたので、ある意味、ソロコンに近い内容になるのかな、と勝手に思っていた。

側弯症(そくわんしょう)の手術を終えたばかりの高井千帆は、パフォーマンスに制限があるので、まだ通常のB.O.L.Tのステージを展開する、というわけにはいかないという事情もあったからだ。

だが、オープニングから4人の全力パフォーマンスとともにアガる楽曲が続く。

ちなみにリレーインタビューでは「1曲目から最高潮のテンションで出ていく」ことを表現するカタカナ言葉を思い出せず「えーっと、アレですよ。ほら、カタカナで……なんだったけな? 熱量みたいな……テンション? いや、違います。あのぉ、アガっていく感じのカタカナですよ。なんかクイズみたいになっちゃいましたね」と苦笑していた内藤るなだったが、その正解は『アドレナリン』! まさにオープニングは客席も含めてアドレナリンが出まくりだった!!

また、ライブにはさまざまな趣向が凝らされていた。たとえば、幕間の映像が過去の内藤るなのクリスマス衣装の総まとめだったり、セットリストの随所にロッカジャポニカ時代の楽曲も織り込まれていて、イントロが流れるたびに客席からは拍手が起きていた。

しかし、特筆すべきは、けっして内藤るなだけが突出して目立つようなステージとはならなかったことだろう。むしろ、今年は開催することができなかったクリスマスライブの要素を盛り込んだ演出が目立った。ファンにとってはうれしい演出だったに違いない。

あくまでも「内藤るなプロデュース」による「B.O.L.Tのライブ」。そして、あくまでも『B.O.L.Tの内藤るな』としてのステージ。

別にもっともっと主役が目立ってもいいのに、ちゃんと他のメンバーも輝くように計算されつくされたショーにもなっていた。それを10代最後の夜に披露する、というのがこのステージの肝になっているのではないか? 社会的には翌日から成人ということになるが、アイドルとしてはとっくに立派なオトナになっていたのだ!

そのあたりはちゃんと小学生の青山菜花と白浜あやも理解しており、しっかりとステージ上で内藤るなへの感謝の言葉と「こんな発想、私たちにはできない」とセトリへの賞賛を口にしていたのが印象的だった身長だけではなく、精神的な成長は心強い限りだ。

▲まさに日進月歩の勢いで進化している青山菜花(左)と白浜あや(右)