ガタンゴトンと揺れながら一杯

▲ホッピーセットを注文します

今日はなんだかホッピーが飲みたい気分だったのでね。とりあえず乾杯。いやあ、うめえうめえ。焼酎は小瓶に入って提供されます。ビンはリターナブルですので、開店前に下準備さえしてしまえば、店が混雑しても提供が楽でしょうね。これはいいアイデアかもしれない。“中”が少ないぞとか、多めにしてよ、なんて厚顔な客とも無縁だ。

▲焼きものは100円から。どれもおいしい

こういう店は馴染み客が支えています。滅多に足を運ばない客である自分は、分をわきまえる(どこかで聞いたね)ようにしています。偉そうにタメ口で注文するなんて論外。でも、それって萎縮しろという意味じゃない。他人様のホームに乗り込むわけだから、最低限の礼儀をもってくつろげばいい。初めて行く義理の実家で、家に入った途端に、靴下を脱いだりしないのと同じです。

▲中にいた常連さんは小鉢を中心にオーダー。これこそホーム感

そうしていると、常連さんがあれこれ教えてくれるわけです。「このお酒は自分でとってもいいんだよ」「ありがとうございます」ってな具合でね。その後、常連さんたちと親交が深まるかといえばそんなこともなく、みなまた一人の時間に戻っていく。

スポーツ新聞を読んで、テレビから流れるワイドショーのコメントに首を傾げて、そして酒を口に含む。この店で過ごす先輩たちは、自分の時間を楽しむ達人なんじゃないかって思うわけです。いつか自分も追いつけるかしら。

▲シールがついているのが甲類焼酎、無印が芋焼酎。どんどん空き瓶が溜まっていく

私が店に入ったときはまだ日が高かったけど、気がつけば夜の気配がします。うしろでガタンゴトンと走る電車が私を勇気づけてくれる。電車があれば家には帰れますから。

そして、昼間はあまり人気のなかった周囲にも活気が出てきました。夜になると輝き出す街というのは、飲んべぇをワクワクさせます。くいくいと酒が進んで気がついたらお外は真っ暗。さて、そろそろ帰ろうかしら。

焼き鳥もうまいし、なにより雰囲気が良かった。こういう店をなくしてしまうんだったらオリンピックなんていらないや、なんてね。いやあ楽しかったな。さて次はどの街へ行こうかしら。

▲こういう雰囲気ある店を大事にしたい

『立ち飲み・マイ・ラブ♡ - 痛みに負けるな!-』は、次回2/26(金)更新予定です。お楽しみに!!

<店舗情報>
■いろは
住所:神奈川県川崎市高津区溝口2-4-3
営業時間:16:00~23:00
定休日:日曜・祝日
電話:044-811-4881
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。