今週は昨年末の『アメフラっシ大感謝祭2020』のなかから、第三部の『がっつりライブ2020』に特化してレポートをお届けしていきたい。なぜならそのライブには、勢いに乗るアメフラっシの数少ない懸念点である「体力問題」を克服する、という目的もあったからだ。そこに課せられたのは「歌だけで60分!」というハードな試練――さぁ、すべての道はZeppに通ず!

想像を遥かに凌駕した『がっつりライブ』のパフォーマンス

▲メンバーが口々に課題に挙げていた「体力面」の課題は無事にクリアできたのか?

Zepp Hanedaの『Wings and Winds』は、アメフラっシにとって2021年初の単独ライブとなる。しかし、今年は年明けから続々と新曲のMVを公開するなど、常にグループとしての活発な動きを見せ続けてきた。

毎週のように、なにがしかのアクションがある「連続性」。今までは、この連載がその役割の一端を担ってきたと自負しているが、もはや彼女たちの活動をカバーしきれないほどになった。まさにブレイク前夜の空気感が漂いまくっている。それらはすべて「ホップステップZepp」の合言葉通り、3月21日に向けてのアクション。すべての点が一本の線につながる瞬間を、ぜひ会場で目撃していただきたい。

今週は2020年ラストにして、 3・21羽田に直結してくる『アメフラっシ大感謝祭2020』の第三部『がっつりライブ2020』について振り返っていこう。あえてお祭り騒ぎにせず、ガチガチの真剣勝負に挑んだ4人。この時点でもうZeppへの臨戦態勢は整いまくっていたのだ!

一日3回公演となった『アメフラっシ大感謝祭2020』。メンバーは各部のあいだの特典会にも参加しているので超多忙な一日となったが、まったく疲れを見せずにエネルギッシュなまま第三部を迎える姿を見ていると、本当に勢いとともに充実感が伝わってくる。

各部の合間の休憩時間では、差し入れのお菓子についつい手がのびる。ふらっと差し入れが置かれているスペースに現れた小島はなは、右手にたくさんのお菓子を持って、その場を離れようとしたが、こっそりと左手の指のあいだにも、バー状になっているお菓子を4本も挟んで持ち帰ろうとしているところを目撃してしまった。

「いや、違う、違う! この4本は私が食べるんじゃなくて、(第二部にゲストとして登場してくれた)B.O.L.Tのみんなに持っていってあげようと思って。だって、B.O.L.Tは4人でしょ? ほら、だから4本なんですよ!

なんとも怪しい弁明だが(彼女たちの驚異の食欲については、昨年末の『ゆづはなトークバトル』にて確認済み!)、第三部の前にこれだけ余裕があるところを見ると、なんだかホッとする。というのも、この『アメフラっシ大感謝祭2020』の前に、4人が口を揃えて不安や課題としてあげたのが「体力面」だったから、である。

ライブに向けてコンディションはしっかりと整えてきた4人だが、三回公演でラストがもっともスタミナを消耗する「がっつりライブ」ということで、第一部から自分の体力の消費を計算、そして熟知しておかないといけない。じつは、これまではその配分を誤り、ヘロヘロになってしまう事象が起きていた(ただし、客席にはその疲労ぶりが伝わらないことが多いので、そこはプロとして、ちゃんと魅せられていることにはなるのだが……)。

そして第三部の幕が開いて、なぜ、メンバーが口々に「体力面」について語っていたのが、徐々にわかってきた。第三部にして、2020年のフィナーレを飾る『がっつりライブ2020』。ここでいう「がっつり」とは、濃密とか濃厚といった意味合い。ギュッと詰まった熱いライブをお届けしますよ、という意志表示だ。

ただ、その濃さは想像を遥かに超えていた。ジャスト1時間のライブは全13曲で構成されているのだが、合間にMCがまったく挟まらないノンストップライブだったのだ!

▲声が出せないファンは、自分たちの気持ちをスタンディングオベーションで伝えた