アメリカ大使館のボディーチェックに冷や汗

悪い意味で印象に残っているのは、こちらも湾岸エリアに立つタワーマンションの若い警備員さん。

この警備員さんは、住民が利用する立体駐車場の操作や、宅配業者のマンション内への入館手続きを担当しているのですが、人を見て対応を変えてきます。駐車場ではキビキビ動き、挨拶や「オーライ」という声もハキハキしていて印象がいい若者ですが、配達業者に対しては「オイ」としか呼びません。

「さっさと来いよ!」
「こっちだって言ってるだろ!」
「チンタラ歩いてるんじゃねぇよ!」

などなど、彼にかけられた言葉は、しばらくは頭から離れません。

▲なぜそこまで攻撃的になるのか イメージ:PIXTA

ちなみに、このマンションには、ものすごく物腰が柔らかで配達員にも気を遣ってくれる中年の警備員さんもいるので、私の周りのウーバーイーツ配達員の間では、このマンションへ配達に行ったことを話すと「で、警備員はアタリだった、ハズレだった?」と聞くのが定番となっています。書くだけで当時の思いがよみがえり、また悔しいです。

一番ビビったのは、アメリカ大使館の警備員さん。アメリカ大使館の場合、周辺に日本の警察官がたくさんいて、まず大使館の入り口にたどり着くまでが一苦労なのですが、実は入ってからがもっと大変。

大きなリュックの中にメキシコ料理店の商品しか入れていないのに、リュックの隙間に何か入っていないかをリュックを開けてしっかり確認。そのあと空港にある金属探知のゲートをくぐり、さらにボディーチェック。この間、ガタイのいい男性がこちらの動きから目を離さないという徹底ぶり。

▲なにも悪いことをしていないのに… イメージ:PIXTA

ここまで警戒の目で見られると、こっちも「実はタコスの中に違法な薬物が入っていて、運び屋をさせられているのではないか?」なんて妄想をして、ビビって手汗をかいてしまいます。そうなると挙動不審におちいるのでしょうか、さらに視線が厳しくなるのです。

冷や汗と手汗でTシャツがしっとりと濡れたところでチェックが終了。ようやく館内に入ると注文者が登場。商品を受け取ると「サンキュー」と声をかけ、すぐにその場を立ち去ってしまいました。警備員のチェックが10分以上、チェックが終わってから商品の受け渡し終了までは30秒ほど。

立ち去る大使館員を見ながら「お前が外まで取りに来いよ」と思いましたが、彼も一旦敷地の外に出たらIDカードを持っていても警備員のチェックがあるでしょうから、外に出るのが面倒なのでしょうね。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は、4/9(金)更新予定です。お楽しみに!!