『青春高校』は理想のクラスだったのか?

――「理想のクラスを作る」というのが『青春高校』の番組コンセプトでしたが、小沼さんが考える理想のクラスはどのようなものでしたか?

小沼 う~ん……でも、3年間を通して作った『青春高校』の最終形態があのような形だったので、やっぱり『青春高校』は理想のクラスだったんじゃないかな、っていうふうに思います。

――実際に居心地の良いクラスでしたか?

小沼 居心地はあんまり考えたことないかな。

――自分はここにいてもいいんだ、という感覚はあった?

小沼 あんまり思わなかったですね。「いてもいい」とか「いちゃダメ」っていうのって、自分のなかで勝手に考えることなので。でも、まわりから受け入れてもらえた感覚はあります。

――美男美女の一軍、元ひきこもりの陰キャ、ヤンキーやギャル……いろんなキャラクターの生徒たちがいました。小沼さんは、そのなかでもわかりやすくカテゴライズできない存在だった気がします。

小沼 そういうふうに生きてきたので(笑)。

――あえて自分をカテゴリーにわけるとしたら?

小沼 強いて言えば、“フレンチロリータ”かな。ファッションというよりは、生き方やスタイルのようなことなんですけど、ある出版社の人と話していて「フレンチロリータっぽい」と言われたことがあったんです。

――自由奔放で周囲を惑わせるような人?

小沼 あとで調べてみたら、自分のちょっと毒のある感じがそうなのかな? と思って。かわいらしい言葉で表現すると“小悪魔”というか(笑)。強いて言えば、ですけどね。

▲クラスでの居心地はあまり考えたことがないかな

――では、小沼さんにとっての“理想の社会”はどのようなものですか?

小沼 あまり能動的な暮らしをしたくないって思うんです。受動的な……与えられるのが好きですね。

――定められたレールがあったほうがラクということですか?

小沼 ある面においては。でも、自分がやりたいことをしても許される社会、他人から邪魔されない社会、やさしい世界がいいですね。

――現代社会に生きづらさを感じますか?

小沼 物質的に満たされていたり、ある程度の自由が許されている現代だからこそ「そんな恵まれているなかで文句を言うな」みたいな、ある種の抑圧があるような気がします。自分自身にヘタに余裕がある分、他人のことばかり目につくんでしょうね。自分を安心させるために誰かを蹴落とすとか、そういうのはちょっとどうなんだろう? とは思います。

――まわりの大人たちを見ていて、そう感じるのでしょうか?

小沼 自分も含めた社会全体かなぁ。