すこし疲れたとき、コリが気になるとき。プロの整体師がこっそりやっている“極楽ストレッチ”を紹介します(※気持ちよすぎ注意です)。温泉に入ったときの“あの吐息”が思わず漏れる――。気持ちよさに重点をおいた極楽ストレッチを、メディアで人気の「for.R整体院」代表・木幡洋一氏がやさしく解説。「気持ちいい」=「超効果的」です。

本記事は、木幡洋一:​著『世界一気持ちいいストレッチ』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

頭は気づかないうちにガチガチになる

頭の筋肉はストレスや緊張状態が続くとガチガチに硬くなりますが、自分では気づきにくいものです。

セルフチェックとして、頭の両側を手のひらで挟み、頭皮を上下左右に動かしてみてください。頭皮が頭蓋骨の上をなめらかに動くのが感じられますか?

頭は薄い筋肉や筋膜で覆われていて、本来はそれらが頭蓋骨の上をすべるように動きます。もし動きにくいなら、筋肉が頭蓋骨にペッタリとはりついた緊張状態になっています。これでは疲労感が取れません。

また、側頭部の筋肉「側頭筋」はアゴの動きと関係しているので、ストレスからくる歯の食いしばりや歯ぎしりも、頭の筋肉を硬くする原因になります。アゴの不調はもちろん、頭痛の原因にもなるので要注意です。

ストレスを感じたときは頭のストレッチを!

いつもイライラしている、緊張しやすい、よく眠れないという人には頭のストレッチがおすすめです。

ポイントは「やさしく行う」こと。強く刺激すると、逆に興奮状態になってしまいます。手のひらで柔らかく頭を挟み、頭皮をやさしく動かすようにストレッチしてあげましょう。

▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
 頭のストレッチ
1.頭を手のひらで挟む:耳の上あたりの側頭部を手のひら全体で押さえる。
2.ぐるぐる回す:ゆっくり5回、回しながらほぐす。反対回りも。
3.引き上げて3呼吸キープ:そのまま上に引き上げ、3呼吸キープ。ポイントを少し後ろに移動して、同様に行う。

耳の血流の悪さは全身に影響する

自分の耳を軽く引っぱってみてください。もし痛みを感じるなら、耳がこわばり、血流が悪くなっている証拠です。耳は仕事の多い感覚器官なので、実は疲れやすい部位です。耳の周囲は側頭筋などの筋肉や筋膜とのつながりも多いので、全身への影響がかなり強い部位でもあります。

特に、耳の付け根の硬さは自律神経の乱れにもつながるので注意が必要です。このメカニズムは骨の配置にあります。耳のまわりにある「側頭骨」は、自律機能(体内の環境を整えコントロールする機能)の調節を行う視床下部を支える骨「蝶形骨」を、左右から挟んでいます。

そのため、耳の周囲の硬さが蝶形骨周辺の硬さにつながり、悪い影響を及ぼすのです。

耳自体には筋肉がないので、自発的に動かすことができません。そのため、触ってあげることでゆるめていきましょう。特に、首や肩がこりやすい、頭痛が起こりやすい、緊張しやすいという人の耳は驚くほど硬いものです。耳を触るのを習慣化し、耳をほぐしていきましょう。

▲世界一気持ちいいストレッチ(小社刊より)
▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
 耳のストレッチ
1.頭の上で手首をつかむ:ゆっくり呼吸しながら、耳を全体的にもみほぐす。
2.真上に伸びる:耳をつまみ、真横、斜め上、斜め下にやさしく引っぱる。
3.真横に倒す:耳をつまんだまま前回しに10回、後ろ回しに10回回す。