デジタルな可能性を追求していきたい
――八島さんが個人的に推したい本を教えてもらえますか?
SME八島 夏川椎菜さんの小説『ぬけがら』です。「TrySail(トライセイル)」という3人組のユニットを組んでいる声優さんですが、小説もお書きになるんです。夏川さんが小説を書き下ろし、それをご自分で朗読していただき、その音声を付けた電子書籍として出版させていただいています。
声優さんなので当然なんですが、朗読の技術が非常に高いのです。加えて、ご自身がお書きになった作品なので、抑揚や間が素晴らしく、ファンの方からも好評をいただきました。電子版が非常に好調のため、昨年8月には紙の書籍として刊行され書店に並びました。
――最後に、Reader Storeさんがこれから取り組みたいことをお聞きしたいのですが、やはり音声・動画付き電子書籍の拡充ということですよね。
SME八島 ジャンルも増やしていきたいと考えています。出版社様のドラマCD付きの(印刷版)ライトノベルを音声付き電子書籍にさせていただいたり、写真集に登場される方の音声や動画を付けて電子化、という実績は既にありますが、間口を広げ、料理レシピ本やヘアアレンジの本といった、映像付与が有効な本に動画を付けるなどアイデアはいくつかあります。
私は紙の編集者だったのでわかるのですが、ヘアアレンジって写真をどれだけ並べても伝えきれないところがあるんですよ。レシピ本然りですが、写真とテキストだけでは限界があるので、動画で過程が見られて、音声解説が付いていれば情報媒体としてかなりの強化ですよね。
世の中にはYouTubeをはじめとする無料動画コンテンツが存在するので、それで満足されている人はそれでいいと思うんです。けれど「本として持っていたい」という人には、紙の進化形という形でご利用いただければと。
――“紙の進化形”って良いですね。
SME八島 はい。紙の良さも残しながら、未来につながるデジタルな可能性として、それは追求していきたいと考えています。出版社の皆様から出版企画の事前情報を共有していただければ、一緒にこういうことをやりませんか? というご提案ができますので、ぜひよろしくお願いいたします!
――それは出版社としても可能性が広がりますね。
SME八島 Reader Storeに備わるブックギフト機能もおすすめです。俳優さんの写真集を出す際に「お友達に写真集をギフトしてくれたら、未掲載特別カットをプレゼント!」など、さまざまな方向性で活用できます。
――いろんなことに独自で取り組みをされていて、これからの出版業界を牽引している感じがしました。今日はありがとうございました。
SME八島 はい、ありがとうございました!
〇電子書籍の総合書店なら「Reader Store」