痛風家がレバーをパクついた結果・・・

低音調理器に入れます。今回は64度で1時間。ひたすら待つだけ。簡単ですね。この日は朝から仕事がたくさんあって、忙しいなぁと思う珍しい1日だったのですが、調理をする時間だけは捻出できるのは、なぜなんでしょう。
酒のアテをいそいそと作っている時だけは、仕事のことを忘れてしまいそうになります。いやいや仕事をしろよ、と担当者からのツッコミがこだまのように盛大に響くわけですが、でも、つまみが完成して酒を飲み始めたら、きっと仕事も頑張れますから大丈夫。
ぐうたらな私を見かけたら酒を飲ませてください。

低音調理中は手持ち無沙汰なので(仕事しろよ)、新生姜でガリを作りました。スライスして寿司酢に漬けるだけ。簡単だし日持ちするので、最高ですよ。

1時間経ったら、調理器から取り出して、ポリ袋ごとすぐに水で冷やします。なかに必要以上に熱が入るのを防ぐため、そして冷やして包丁を入れやすくするためです。
冷蔵庫に入れて、しばらく冷やしてから食べてもおいしいと思います。塩とごま油を用意して早速いただきましょう。レバ刺しにはプリン体の少ない酎ハイを合わせたいと思います。
うん、うまい!
ねっとりとした口当たりは、さすがに生のレバ刺しとは違いますが、口に入れた瞬間ふんわりとした柔らかさがあり、その奥からレバーの旨みがしっかりとやってきます。あん肝に近い食感になりましたが、もう少し低い温度で火を通したらまた味わいも変わることでしょう。いやぁうまい。
今日はいい日だと思っていた、その矢先に事件が起こります。

みるみる足が腫れてきたのです。なかでも左足の親指の付け根が、赤く腫れ上がっているのがわかります。
そうです、痛風です。
食べてすぐに症状が出るなんてことは、これまで経験がないのですが、先だって食べたレバニラ炒めや、普段の不摂生、そしてレバーを食べるぞという高揚感、いや緊張感がストレスになって私の足を襲ったのかもしれません。
じわじわと傷んできたのです。これはやばい。プロ痛風家の勘が、こう教えてくれます。
「明日は歩けなくなるぞ」

危険を感じた私はすぐに行動に移しました。大事に大事に低音調理したレバーですが、えいやとフライパンに入れて、野菜とスパイスと一緒に炒めます。
そう、レバーパテにしようと思ったのです。こんなにおいしいレバーだけど、数日しか日持ちしない。だったら火を通して、痛風の発作が治ったあとに、ゆっくり食べようと思ったのです。
さらに痛み始めた足をさすりながら、台所で一人鍋を振るう私。その姿は、なんといじましく、そして美しいのだろうと我ながら惚れ惚れしたのでした。私って酒飲みの鑑じゃありませんか?
レバーパテは、どんな酒にも合うのでおすすめですよ。次回こそは、どこかに飲みに出かけたいな。それではまた。