武道一色の青春時代

――今年3月に『イ・リンのコスプレ格闘ポーズ集』が発売され、本格的な格闘ポーズを披露されました。数々の武道を習得されているようですが、何がきっかけで始めたのでしょうか。

リン お父さんがアメリカのドラマ『ワンダーウーマン』の主人公リンダ・カーターさんの大ファンで、それで私の名前もリンになったんです(笑)。『ワンダーウーマン』のような強くて美しい女性になってほしいと言われて、4歳のときにお父さんに連れられて最初はテコンドーを習いました。

――きっかけはお父さんだったんですね。テコンドーはすぐ好きになれましたか?

リン そのときの気持ちは覚えていませんが、同時期に習っていたピアノはさぼったりしていたのに、テコンドーは毎日頑張っていて一生懸命に通っていたらしいです。自分で楽しいなと気づいたのは小学生のころで「これが一番好きだな~」って。ピアノはさぼるから早々にやめていいと言われて、高校1年生の冬休みから合気道も始めました。

――合気道も始めた理由は?

リン テコンドーは三段まで取れていたので、次は合気道で段を取ろうとお父さんに言われて。実はお父さんが合気道のデモンストレーションをやっていたんです。

――お父さんの影響が強いんですね。でも、期待通り『ワンダーウーマン』のように強くなって、お父さんもさぞかし喜んでいることでしょうね。

リン はい、すごく喜んでいます。

▲父の影響で始めたテコンドーをキッカケに武術を究める

――大学は韓国で多くのオリンピック選手を輩出している龍仁(ヨンイン)大学に進学されて、更にその道を究めることとなりますが、途中で興味の対象が変わることはなかったんですか?

リン 実は高校生のころ、演技の勉強をしたいと思って演劇部に入ったことがあります。昔からよくマンガを読んでいたんですが、演劇部が舞台になっている話が多くて、その世界に憧れていて。マンガの設定では演劇部には学生会長が必ずいるんですが、入部したら本当にいてビックリしました(笑)。

――部員の女性全員が、その会長を好きになるという展開ですね!

リン マンガでは好きになるんですが、実際は誰も好きにならなかったです。現実は違うんですね(笑)。

――お父さんは演劇を始めたことに賛成してくれましたか?

リン お父さんはサックス奏者、おじいちゃんはマエストロで絵も描いていたりする芸術一家なんですが、芸術で食べていくのは大変だから、好きなのはいいけど仕事にはしないでほしいと言われていて。それなら演技は? と言ったら、それもダメって(笑)。高校3年生まで演劇部にいましたが、すごく反対されていました。そんなときに学校の先生から、これまでの実績を見て体育大学はどう? と薦めていただいて龍仁大学に進むことになりました。

――ということは、オリンピックに出場することを目指していたとか?

リン それが……得意のテコンドーを選べばよかったんですが、合気道を選んで入学しちゃったんです。

――オリンピックの種目に合気道がない!

▲大学はオリンピック選手を多数輩出している龍仁大学へ

リン はい。入学後に変更できないか聞いたんですが、できないと言われて。お父さんも落ち込んでいました。

――大学卒業後の進路はどう考えていたんですか?

リン 当時は人気のトレーナーを目指すことになりました。なので、インストラクターの免許も取りましたし、韓国には有名なトレーナーが何人もいたので、私もカリスマトレーナーになろう! と考えたりました。

――すでにテコンドーや合気道などで有名だったんですよね?

リン 韓国のテレビでインタビューを受けたりはしていました。その出演をきっかけにダイエットドリンクのCMのお話をいただいて。ドラックストアへ行くと私の写真がたくさんあったんですよ。

▲大学卒業後はカリスマトレーナーを目指しインストラクターの免許も取得