高知のブリは夏でもうまい!
家で立って飲むのは楽しいですね。キッチンに立ち、料理をしながら、私は酒を飲む。酒を飲むために料理をしていると言ってもいい。
飲みながら料理をする日は、ことあるごとに味見しながら、酎ハイなんか飲んじゃったりして。完成した頃には、すっかりお腹いっぱいになるので「ほらほら食べなさい」って子どもに勧めて渋い顔をされたり。
今回は、そんな家飲みの究極の形をお届けしたいと思います。
通販でブリを頼んだのが数日前。締め切りに追われていた私は、発作的に数千円のブリ1尾をポチッとしていたんです。
魚を捌いた経験なんてほとんどなく、大きな魚も触ったこともない私にとって、この買い物はかなりの冒険でした。というわけで、今日は自宅に届いたブリを捌きながら酒を飲もうという算段なのです。
魚を捌いたことがない私は、クール宅急便が届いて、まず何をしたかと言えば、自宅にある包丁を慌てて研ぎました。当たり前ですが、果物ナイフは使う機会はありませんでした。というわけで、届いた荷物を開封します。
氷がたくさん入った発泡スチロールを開けると、なんというか魚屋の匂いがしました。うーん、海。そしてお見事なブリ。デカい! こちらは高知県宿毛産だそうで、内蔵は最初から抜いてくれているので、処理の手間がないのがいいですね。早速、調理していきましょう。
最初に鱗を落としていくのですが、この機会にAmazonで鱗とり器を購入しました。数百円で「安いな」と思ったんですが、鱗を取る以外は何に使うんだこれ。
そんな思いも、気持ちいいくらい鱗が取れていく様子を見ると、さすが専用機材と声を出して誉めたくなります。「鱗だけで身は傷つけない」という商品の惹句(じゃっく)は嘘じゃなかった。痒いときに背中をこれで掻いたらどうだろう、と思ったけどやめておきます。
鱗取りが終わったら頭を落としましょう。こちらは煮付けに使おうと思います。ほら、だんだんスーパーなどで見慣れた形状になってきました。ここまでは比較的順調でした。
お腹を開いて、血合いをしっかり洗います。これを“する”と“しない”とで、臭みが全く違うといいますよね。でも、これまで魚を捌いたことがないから、その違いがわかるのかと言われたらわからない。
牛乳でレバーの臭みをとる。塩水でほうれん草を茹でる。目的はわかるけど、理屈はわからない。なんとなく受け入れている工程ってありますよね。でも私は素直だから、キレイに洗い流します。
ここから中骨に沿って包丁を入れていきます。いわゆる3枚おろしですね。初めてとは思えない手捌きじゃないですか。包丁がスッと入って身と骨が離れていきます。いやあ、包丁をしっかり砥いだ自分を褒めてあげたい。