まだまだドリフを描き続けたいな

自分が描いたたくさんの絵を見直して、ザ•ドリフターズっていうのは、ホントにいろんなことをしてきたグループなんだなと思ったな。描いていて、とくに楽しいのは『8時だョ!全員集合』や『ドリフ大爆笑』でやってたコントの場面。やっていた頃のことを思い出すし、どこかから客席の笑い声が聞こえてくる気もするんだよね。

七福神にせよ歌舞伎の衣装にせよ、ほかの絵は資料を見ながら描いたりすることもあるんだけど、コントの場面は何も見ないでも描ける。背景が少しぐらい間違っていても、誰かが困るわけじゃない。見てたほうだって、細かくは覚えてないよね。

『全員集合』の16年の歴史の中では「三大事件」と呼ばれている出来事がある。ひとつは、探検隊コントをしている最中に蛇が燃えちゃったこと。

▲「探検隊コント」ほんとに火事になっちゃった、大至急消火だ 出典:高木ブー画集

ふたつ目は、事情があって仲本と志村が番組を休むことになって、1か月ぐらい3人のドリフでやったこと。もうひとつは、本番が始まる直前に、会場の照明がいきなり消えちゃったこと。そういうのも絵にしたけど、描いてて懐かしかったな。

▲「探検隊コント」三人ドリフ!? 出典:高木ブー画集

「三大事件」なんてものがあって、たくさんの人がそれを覚えている番組なんて、そうそうないよね。こんなに幅広い世代の人に愛されたグループも、そうそうない。ドリフのメンバーのひとりであることは、僕にとっての誇りだし、もしかしたら誰よりもドリフのことを好きかもしれない。だから、たくさんドリフの絵を描いちゃったのかな。

まだ絵にしていないコントがたくさんあるから、これからも描き続けないとね。絵の中では、長さんも志村も元気で生きてる。いろんなシチュエーションで、いろんな格好をさせたいな。

「このコントも絵にしてほしい」とか「こういう場面を描いてほしい」って、よかったら編集部にリクエストを送ってください。全部には応えられないけど、がんばって描いてみます。

どこかの銭湯で、ペンキ絵を描かせてくれないかな。銭湯の絵は富士山が多いけど、ハワイのダイヤモンドヘッドを背景にしたり、ワイキキの海岸を描いたりしてもいいよね。海や空で、ドリフのメンバーが楽しそうに遊んでる。山の向こうから、ジャンボマックスがキングコングみたいに出てきたりね。自分で足場にのぼって描くのが無理なら、僕の絵をもとにペンキ絵の本職の人が描いてくれてもいいし。

完成したら、その絵をバックにして、みんなで「いい湯だな」を歌いたい。きっと盛り上がるよね。やってみたいなあ。銭湯関係者の方、よかったら考えてみてください。

▲みんな絶好調―! 「高木ブー画集 - ドリフターズとともに -」より