うま味を凝縮させた“あいつ”で飲む!

男にはいくつかロマンがあるそうですが、私は海にそれを感じます。海は大きく広くて、異国の地につながっている。私は海を見てると、なんだか胸が苦しくなるんです。狭心症の発作というわけじゃないんですよ。

でも、私は泳ぐのも下手だし、船もなんだか怖いんですね。沈んだらどうしようなんて、物騒なこと考えてしまう。ちなみに、飛行機も落ちたらいやだなって考えますし、新幹線も脱線したらいやだなって思っています。だから、乗る前に酒を飲むんです。

▲家で干物作りってアリかもしれない

そんな小さい人間の話はさておき、飲み屋なんかで「海で釣りをしてきた」という話を聞くと、うらやましいなあと思うんです。「今日は、どこどこまで行ってきたよ」なんて言いながら、釣果の話で盛り上がっている。

釣りという遊びは、社会人のいちばん強力な趣味サークルなんじゃないでしょうか。私も魚を釣ってみたいけど、でも面倒だし高いからなぁ、とかなんとか言いながら結局行かない。

釣った魚をさばいて食べる、醍醐味ですよね。私は少しでもその気分を味わいたいから、休みの日を使って、自宅で干物を作ることにしました。

▲今日はどいつを干してやろう?

スーパーの鮮魚コーナーにはいろんな魚がいるんですね。普段は切り身や刺し身ばかりに目がいくから、新鮮な気持ちで売り場を眺めます。

金目鯛が売っていたので、さっそくゲット。このお店は、店員さんに頼むと簡単な処理をしてくれるので、内臓をとってもらいました。あとはイワシとスルメイカを手にしてレジへ向かいます。

▲このまま焼いて食べたいのをぐっとこらえて…

自宅で早速調理します。干物って、結局は海水に漬けて干すというダイナミックで簡潔な料理です。

自宅で調理する場合は、海水より濃い目の10%ほどの塩水に30分〜1時間ほど漬けて、軽く乾かしてから干します。そうすることで、うま味がぎゅっとするんですね。

▲笑っているようにも見えませんか?

というわけで、塩水に漬けます。買ってきた魚をいっぺんに漬ける容器がなかったのですが、こういうときにジプロックは重宝しますね。

塩と岩塩、さらに酒とみりん少々を混ぜたものに金目鯛をドボン。日本酒とみりんがいい仕事をしてくれそうです。

▲よく切れる包丁を使いましょう

お店で処理ができなかったイワシは、自宅で内臓を取り出します。おしりから包丁を入れて、お腹をぐっと手で開いて、はらわたを手で綺麗にします。歯ブラシを使って綺麗にする人もいるくらい、この処理をしっかりすることで、生臭さがなくなるんです。同じように塩水に酒を加えたものに漬けます。