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立ち飲みで経済を回します!
最初にひとこと言わせてください。
みなさん、乾杯!
ようやく大手を振って飲みに行ける日がやってきました。これまでも店は営業していたんですが、お店の人たちも、きちんと再開できた喜びを噛み締めているように感じました。まだまだ制約はあるものの、外で酒を飲める幸せを改めて感じながら、今回の連載をお届けしたいと思います。
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訪れたのは神奈川県の鶴見。この駅一帯はね、独特の空気が漂っているんです。行政的には横浜市なんだけど、地理的には川崎に近くて、いい意味で猥雑感がある。ヨコハマというには、ぎゅぎゅっとした街並みで、そこらじゅうに労働者たちの力強さがあふれています。
私はこういうところが大好き。なぜなら間違いなく、いい飲み屋があるからです。そんなわけで今日はこちらの『とっちゃん』へ。
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16時過ぎに店に入ったら、仕事帰りのサラリーマンと、体を使う仕事のお兄さんたちが、いい塩梅で混ざって酒を飲んでいました。鶴見駅から出る鶴見線沿線には工場がたくさんあって、駅周辺には会社もたくさんある。
私が見たときは、みなさん一人客のようでした。自宅までの帰り道に自分のペースで飲める、こういう店があるのはいいなと思いました。
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今日のおすすめはなんだろうなとメニューを見ると、よくある定番のおつまみから、臓物系までバリエーション豊か。そこそこ広い店内では、店長らしき男性と、二人の若い店員さんがきびきびと働いています。
この若者たちがね、気が利くんです。「なにがおすすめですか?」「ササミなんてどうです?」と、こちらの欲しそうなものを的確に答えてくれる。思わず「いいね」って言いたくなる。彼らはきっと飲み屋で働くのが嫌いじゃないんでしょう。自信をもって生き生きと仕事をしているのがいいと思いました。
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そんなわけで乾杯!
こちらの店はホッピーを推しているようなので、その流れには逆らわずオーダーをば。三冷といわれる方式で、よく冷えたグラスがうまそうじゃないですか。
氷がないから薄まらないのがこちらの特徴ですね。その昔、学生だった自分が酒場の常連らしきおじいさんに「ホッピーってなんですか」と聞いたら「ビールの代用品だよ」と憎々しげに答えたんです。そして老紳士はうまそうにビールを飲んだ。そのとき、私はビール>ホッピーだと刷り込まれたんです。
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でもね、そんな誤解はとっくに解消されています。ホッピーはビールの格下なんかじゃないってことに、私はとっくに気づいています。ほろ苦くて、舌にやさしくて、どんな肴にもあう最高の酒だってことに。
店の焼酎次第で個性が少しだけ変わるのも愛しい。粗悪な安酒だってホッピーと合わせれば、一気にうまくなるんだから、これは酒のドーピングといってもいい。もちろん、こちらのお酒が悪いと言ってるわけじゃないですよ。こちらのホッピーは100点満点です。