「責任を取る覚悟で『やろう!』って言う」
『ビリギャル』がそうだったように、坪田さんは、子どもたちに自信を持たせるために、あえて無謀なチャレンジをさせることがある。
「周りから『絶対にムリ』って言われたとき、ふつうの子だったら『じゃあ、やめとこう』ってなるんですね。だけど僕は『いや、やろうよ』と言う。『一緒に見返そうよ』と。それがうまくいけば、子どもたちも周りの人が言うことって、あまり頼りにならないんだなってわかりますし、自信にもなるんです。だから僕は、みんなが『絶対にムリ』ということがあると『むしろ一緒にやりましょう!』と言うようにしています」
坪田さんが手がけたカジサックこと、キングコング・梶原雄太さんのYouTubeチャンネルもその好例だろう。
「僕は、なんの権限がなくても『やろう!』って言っちゃうんですよね。梶原さんの件も『吉本興業が全面バックアップするから』って、なんの権限もないのに言っちゃう。ふつうだったら『持ち帰って上に確認します』って言うんでしょうけど、僕は言い切ってしまう。もちろん自分の責任で言っています。
もしも『ノー』って言われたら、吉本を辞めますぐらいの覚悟で言うんです。この話を吉本興業の大﨑(洋)会長に言ったら『わかる』っておっしゃっていましたね。『俺も昔はそうだった』って(笑)」
そんな行動の原動力についてたずねると、坪田さんは自著を指して「こういう本って、読んでもその通りにはできない」と笑う。
「タイガー・ウッズの動画を見たからといって、すぐにゴルフがうまくなるかというと、やっぱり練習は必要ですよね。ただ、まったく意味がないかというと、そうでもなくて。とりあえず1歩ずつでもいいからやってみようと思うことが大事なんです。本で読んだことをいきなり全部やろうとするのではなく『今月はこれを意識してやってみよう』って重点的にやってみる。そうしたことで認知が変わっていくんだと思います」