「競技前後」への気配りも忘れないスパイクカバー

でも、驚くのはまだ早いです。陸上競技経験者はご存知だと思いますが、あの鋭いピンが底についたシューズは、あくまで陸上トラックで履くもの。

建物の中にあるロッカールームなどに行く際は、床を傷つけないように、底がフラットな靴に履きかえないといけません。

健常者なら、それは簡単なこと。しかし、ブレードを脚に装着したパラ陸上の選手たちは、装着部分の空気を抜くなど、やることがいっぱい。両社は、ここに着目してフットスパイクカバーというスパイクの底に装着する“もうひとつのソール”をつくりました。

▲スパイクカバー 出典:『ミズノ本』(小社刊)

これは他ブランドのスパイクを履いているパラ陸上の選手たちにも使ってもらえる優れもの。すべてのアスリートに手を差し伸べているなと感じました。

スポーツ用義足KATANAΣ 出典:『ミズノ本』(小社刊)

またミズノの板バネは最上位モデルの〈KATANAΣ(カタナシグマ)〉の他にも〈KATANAβ(カタナベータ)〉もリリース。これはトップのパラアスリート以外にも、パラリンピアンの姿に憧れて「自分も同じように板バネで走りたい」という次世代が手にしやすいよう願って生まれたものです。