封印を解き、今シーズンはカワハギにトライ

長らく封印していたカワハギ釣りに改めて挑んでみようと思い、今シーズンから始めてみることにした。前回までは事前の準備もよくわからないままだったが、今回から新たに心がけたことは以下の4つ。

  1. カワハギのエサのアサリを付けやすくするために、ぬめり取りとアサリを〆る塩を準備。
  2. 小さなおちょぼ口のカワハギがエサを食べやすいよう、ハリにアサリの付ける際は丁寧にコンパクトにつけるようにした。
  3. 可能性を広げるために、ハリは2種類用意。船長のアドバイスに従い大きなサイズのハリも準備。
  4. エサを食べるパターン(釣れるパターン)をコロコロと変えてくるカワハギに対応できるように、中オモリを用意。

1:殻から剥いた生のアサリはヌルヌルしていて、それをハリにつけるとなるとそれだけで一仕事になってしまっていまい、エサ付けに時間がかかって、せっかくの釣りの時間が短くなっていた。それを回避するために、アサリのぬめりを取り、さらにそのアサリを〆る塩を釣具店で購入した。

2:エサの付け方は、水管にハリを刺す→その針先をベロの部分に縫い刺す→ワタの中に針先を納めるように隠す、という手順を踏むのだが、小さなハリにヌルヌル気味の小さなアサリをチマチマと付けるのは一苦労。カワハギの小さな口でも食べやすいように、アサリを小さく丸くコンパクトにまとめるのもポイント。相手(カワハギ)の気持ちになって、食べたくなるようなエサのサイズ、形状をイメージした。

▲ハリの大きさは1センチ以下で7ミリ程度

3:仕掛けに対して3本のハリを付けるのだが、そのハリの種類を同じハリにせず、2種類のハリを準備。カワハギを釣るために設計され、口に入ればかかりやすい「ハゲ針」と、カワハギの捕食の特徴でもある、吸い込んで吐くときに針がスルっと入り込みやすい形になっている「吸わせ系の針」で、どのタイプのカワハギが来ても対応できるようにした。

▲こちらがカワハギのハリ。左が「ハゲ針」、右が「吸わせ系」

4:中オモリは、仕掛けの上に付ける軽いオモリのこと。仕掛けがただ海底に向かって真っすぐに立っているのではなく、中オモリをつけることで仕掛けをたるませ、糸のテンションを抜いてカワハギに違和感が無いようにしたり、海底にいるカワハギにもアピールをしようと考えた。

▲これは0.5号のオモリで2グラム弱。中オモリのサイズはたくさんあり、状況に合わせてチョイスする

今シーズン3回目、通算4回目のカワハギ釣り

今シーズンの1回目はすごく風の強い日で、魚のアタリもわからず釣果は3枚。2回目は雑誌『つり情報』さんの取材。このとき、仕掛けの上に中オモリを付けて、少し仕掛けをたるませる釣り方がハマって10枚も釣れたので、今回もそのパターンでスタートすることにした。

仕掛けが着底したら、中オモリの重さを使って仕掛けをたるませて……。前回のようにバンバン釣る予定だったものの、ポイントは海藻が多く、海底が凸凹していて根がかりしやすい厄介な場所だった。投入するごとに海底の何かに仕掛けやオモリが引っ掛かかり、ロストばかりで釣りどころじゃない。「あーーーー」とため息交じりの声ばかりが出ちゃう。

前回の作戦はここでは通用しないんだと痛感して、次の作戦に変更。オモリが着底したら少し浮かせて仕掛けを揺らさずに待ってみたら、コツコツとアタリがきて1枚ゲット。そのポイントで2枚釣れたものの、すぐにアタリが出なくなったところで船長がポイントを移動。

新たな場所は根がかりとは無縁の砂地。ここなら前回絶好調だった仕掛けをたるませた釣りができじゃん! とすぐさま試してみるものの、ほとんどアタリがなくてなんとなく釣れた1枚だけ。なんなのーーカワハギって。イライラする。あまりにも釣れないから気分転換ということで、ひとまずふて寝をすることに(笑)。

▲気分転換には睡眠が一番!

少し寝たら気持ちもスッキリして釣りを再開。すると船中は釣れている人、釣れていない人の明暗が分かれていて、私も魚の気配を感じられないままだった。私のところにカワハギはいないのかも? どうしたらいいんだろう? と思っていたら、船長が操縦室から出てきて、私のすぐ横で釣りを始めた。

オモリでコンコンコンコンと海底を何度もしつこく小突いて、ピタっと止めたその瞬間、私にもわかるアタリが見事にあって、すぐに1枚釣っちゃった。周りは誰も釣れてないのに、船長が始めたらすぐ釣れてビックリ。まるでマジックを見ているような気持ちになった。

ここはお得意の“釣れている人にすぐに聞く作戦”。すると、船長がカワハギの習性を教えてくれた。カワハギには底にある小石を持ち上げると寄ってくる習性があるようで、オモリでそれを演出するのだとか。底でオモリを叩いているとカワハギが興味を示し、こっちに寄ってきたかも? という雰囲気を感じる。そう感じたら叩くのをピタっと止め、エサのアサリを口に含ませて釣り上げるのだそう。

そこで、船長の横で同じように真似をしたら本当にあっさりと釣れちゃって。え、あんなに反応がなかったのに、今、ここにカワハギがいたの?? と頭の中は“?”で一杯に。船長が寄せてくれたカワハギがいただけかもしれないし、カワハギが近寄ってきた感覚は正直わらなかったけど、こうして魚をおびき寄せて釣る技術があるんだと勉強になった。

早速、自分の席に戻って同じように試してみるものの、また釣れない(笑)。やっぱりカワハギは難しい。釣り人が躍起になってカワハギを攻略しようとするのも納得しつつ、どうやったら釣るんだろうか。ううう。全くわからない……。わからな過ぎる……。