新たな釣法を見てカワハギ釣りの面白さに開眼

私はもちろん、周りも一向に釣れないなかで、反対側にいる方が釣れていた。見ると、仕掛けを自分の真下に落とすのではなく、キャストして仕掛けを遠くへ飛ばし、遠くから底をコンコンコンと叩きながらカワハギをかけるという、これまで見たことのない釣り方だった。よし、それだ! と思って、その方がやっていることを鏡のようにマネをしたら、今まで無くならなかったエサが取られるようになった。

私はまだ繊細な釣りに慣れていないので、エサが取られていることに気づけず、アタリはわからなかったけど、エサが取られるということは魚がいるということ。もっと集中しないとダメだ! と、より真剣に、そして感覚を研ぎ澄ませて何度も同じ動作を繰り返す。

まだカワハギの気配は感じられないものの、毎回きちんとエサが無くなり、カワハギがいることは感じていた。そして、ついに、“今、これがカワハギのアタリでしょ!”というわずかな手応えを感じて、スススーとゆっくり竿を合わせると、“ガンガンガン”とこれぞカワハギ! という独特のヒキと手応えがあり、思わず「おおおおおーーー」と声が出た。

その様子を船長が見ていたようで、船室から顔を出して「今のいいねーーーー」と声をかけてくれて、初めて“これかーーー、これがカワハギ釣りなんだ!”という手応えと感覚がわかった。これまでのカワハギ釣りは、釣ったんじゃなくて、たまたまかかっていただけ。確実に釣った感覚がわかって、一気に“カワハギ釣りが楽しい!”と気持ちに変わった瞬間だった。

▲カワハギ釣りが楽しい! と思えた最高の1枚!

竿から手に伝わる感覚、目視できる竿先のわずかな揺れなど、全身でキャッチできる情報をいかに感じるか。やっとカワハギを釣る楽しみがわかった。今回の、この最後の1枚は確実に自分で探して釣った感覚のある、カワハギ釣りのイメージを変えた1枚。これで一気にカワハギ釣りが好きになっちゃった。

この日の釣果は5枚だったけど、これまでの何倍も価値のある1枚を釣り上げることができて、もうカワハギ釣りに夢中。早く次の1枚を釣りたくて仕方がないーー!!

帰宅後、お待ちかねの料理は、毎度お馴染みのお刺身を肝醤油で食べたほか、煮つけにも。一緒に行った友達が頭を唐揚げにするとおいしいと教えてくれたので、それにも挑戦。これまで頭を捨てていたことを後悔するおいしさで、カワハギの食べ方は肝醤油だけじゃないんだ、という新たな発見も。

▲食べ途中の写真で失礼します。カワハギのお刺身と肝醤油はみんなにも食べてほしい!
▲頭の唐揚げも美味。今後は絶対に捨てません!

若干揚げ過ぎたようで骨までバリバリと食べちゃったけど、普通、骨は食べないみたいで「え、骨まで全部食べたの? まあ、食べられたならいいんじゃない!?」と驚かれた。釣って楽しく、食べておいしいカワハギ。当面ハマりそうです。


プロフィール
 
吉野 七宝実(よしの・しほみ)
1991年3月5日生まれ。千葉県出身。競輪専門チャンネル『SPEED』のキャンペーンユニット『スピーチーズ』のメンバーとして活動。その後、西口プロレスのラウンドガールユニット『西口向上委員会』のメンバー、AbemaTV『ピーチちゃんねる』のレギュラーレポーターを務めた。現在はグラビア活動のほかに釣り具ブランド『HUNT』のプロデュースなど活動は多岐にわたる。1年かけて自撮りした干物グラビアで構成した2022年版のカレンダー『IPPON釣りcalendar』も好評発売中。Twitter:@Shihomi0305、Instagram:@shihomi0305