スケベコントの原点

――現在の芸風にはどうやってたどり着いたんですか?

 組んだ当初はコント漫才をやっていました。初期の頃の漫才は、こっちゃん選手に考えてもらって。漫才も良いけど、僕はずっとコントをやりたくて。

それで、マセキのオーディションを受けに行くときくらいだったかな、コント漫才はダメということを風の便りで聞いたんです。だったら、コントを作っていこうという流れになりまして。

こっちゃん 『芸界』という大学生の大きなお笑い大会があるんですけど、その大会で披露するために『イルカの調教師』というコントを作ったんです。

峯くんがベテラン調教師で、私が見習いという設定。峯くんがイルカのある部分を私に触らせて「ほら、どうだ? 硬いだろ?」っていうようなネタを作って(笑)。実際にやってみたら、峯くんがグイグイ来る感じがすごく合っているなと思ったんです。

 だから、大学時代から今みたいなスケベネタはちらほらやっていたんです。でも、まわりの学生たちは引いてたよね(苦笑)?

こっちゃん うん……。引いてたし、気持ち悪がっていた(苦笑)。

▲現在の芸風の原点を語ってくれた二人

 でも、プロに行くんだったら、これくらいぶっ飛ばないと通用しない、見向きもしてくれないぞと思ったんです。そこから徐々にパワーアップ? していった感じです。より面白い方向にですよ! そんなこんなで、ここまできました(笑)!

――ネタ作りのメインは峯さんとお聞きしました。「こういうことがあったらいいな」というちょっとエッチな妄想から、どんどんネタをふくらませるんですか?

 そう思われがちなんですけど、日常でそういう妄想はするじゃないですか? そういう妄想の種をたくさん持っていて、いざネタにするってときは落ち着いて『無』になります。種をうまく整理するって感じですね。

こっちゃん えっ、そうだったんだ!?

 そして、最近は現場で台本を完成させることが多いです。初めは10割台本にしていましたが、今は3割くらいの状態で持っていって、こっちゃん選手と合わせながら、その場で面白いものを作り上げていくスタイルになっています。

こっちゃん選手がおもしろ人間なので、骨組みさえ作っていけば現場で面白くなるんです。リアルなリアクションというか、その場のノリが面白くなっていくと思って。僕の中では、この形が一番良いものを作れるんじゃないかなと。

こっちゃん うれしいこと言ってくれるじゃーん! ありがとう!

 考えられたものより、その場で起きた現象とかが一番面白い、と僕は思っていて。だから、台本作りは料理と一緒ですね。材料を持ち寄って、その場で調理していくみたいな。

こっちゃん おぉ、なんかうまいことまとめたな(笑)。

――こっちゃん選手は骨組みの台本を見て、どういうふうに感じるんですか?

こっちゃん そうですねー、最初はボディタッチ激しめの台本を見ると、ええっ!?と思ったりしました(笑)。

 最初の頃は、手を触るとかからスタートしたよね?

こっちゃん 触るところが「手」と書かれていたのが「胸」に変わっていって、という感じです(笑)。

 いや、特にどこを触るとか書かずにドーンってだけ書いてたと思うよ。それで本番前に、あそこのドーンは胸だよって伝えて。でも、こっちゃん選手は『OK!』って、何も気にしていない感じで返してくるんです(笑)。

こっちゃん なめられたくないですからね! 全然大丈夫だよっていうスタンスでした。それと一回舞台でやっちゃうと平気になるというか、お客さんが笑っているのを見て「あっ、おっぱいってウケるんだ」と思いました。

あと、当たり前ですけど、いやらしい触り方はしてこないので(笑)。どちらかというと熱血が空回ってあたっちゃうみたいな感じなので、平気です。今はお家芸だと思っています!

 そうだよね、いやらしい気持ちは一切ないもんね!

こっちゃん いや、あなたはわからないけど(笑)。私はそりゃあないよ?

 俺もないよ。本当に!