コロッケにソースをドバドバと
エースのサバの塩焼きは、どこで食べても安定した結果を残すのが、エースたる所以。サバを一口食べて、ビールで流し込む。時々、骨をそっと外しながら、塩のしっかりきいた身を口に運ぶ。うまいなあ。
先ほどとは一転、脇役に転じても、しっかりと一緒に伴走してくれるビールも立派だ。
その昔、『こち亀』という漫画で、「下町ではコロッケを箸で潰して、ソースをひたひたになるまでかける。コロッケひと口でごはん2杯はいける」という描写があったんです。大人になった今は、気の利いたギャグだってことがわかるけど、幼い頃は実際にそれを真似して、しょっぱくて食べられないと吐き出しこともありました。
しかし、今日の私は、あのシーンを再現しようと思うんです。ほら、いつもの1.5倍ソースをかけてね。そうするとどうなるかって。ひと口食べるたびに、ビールが進む進む。ああ、今宵の私はあっという間に上機嫌。誰の追随も許さない独走態勢に入りました。
往路をハイピッチで飛ばした私は、折り返し地点からレモンサワーに切り替えます。甘くないタイプで、しっかりとレモンがきいててとてもおいしい。脂の乗ったサバやコロッケとの相性は抜群です。
しかし、このお店はどの料理を食べてもレベルが高いね。ちょっと感動した。さらに、これらの日替わりメニューを楽しめるのはランチタイムだけかと思いきや、夜9時までいけるというから、これは晩酌ニーズをしっかりと捉えているのだと確信しました。
駅前という抜群のアクセスに加えて、一人で入りやすい、さらにお酒も飲める。これ以上のお店はなかなかありません。
40歳を過ぎたあたりから、お酒を飲んでいるときは白米を食べなくなりました。酒とつまみがあれば十分。だけど、締めのラーメンなんかは食べてしまうからどんどん太っていく。代謝が悪いから、体重を落とすにも4区と8区、じゃなかった四苦八苦です。
今回は、ごはん少なめをオーダーしたんだけど、やはり余ってしまった。だが、おかずはもうない。さて、どうしよう。
私は思いつきましたよ。最後の手段ということで、塩を振って、それをつまみにするんです。塩の利いた冷めた白いご飯は、塩むすびみたい。意外といけます。酒が進むかどうかはわからないけど、これは箸休め、ならぬ杯休めにいいと思いました。うん。大満足だ。
ビールとサワーに、サバ定食で大満足。無事に10区を完走しました。
椅子の座り心地は良かったし、漫画もあったから、いくらでもいられる気がしたけど、そろそろ帰らないと。自宅までは電車に乗って、ここから1時間ほど。意外とあるけど、座れたら寝てしまおう。いやしくも23区の喫茶店で、こんな小旅行気分が味わえるなんて思いませんでした。また走りにきますね。
さて、次はどこの喫茶店に行こうかしら。それではまた。
『黄昏時に今日も一杯 気まぐれ喫茶メシ』は次回5/27(金)更新予定です。お楽しみに!!
■ルノアール 新小岩店
住所:東京都葛飾区西新小岩1-2-11 喜久屋ビル 2F
営業時間:7:00~22:00
電話:03-3696-3641
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。