グーグル検索一位の人気メニューとは!?

夕暮れ前に仕事が終わる。初めて訪れた馴染みがない街をふらふらと散歩するのが好きです。一つ隣の駅まで足をのばせば、帰りの電車代が格段に良くなることに気づく。

のんびり歩きながら、まだ開いてない居酒屋を冷やかす。そうこうしていると、やはり酒が飲みたくなってくる。ランチをとる暇がなく、小腹が減っていることにも気がつく。そんなとき、私はふらり喫茶店に入る。

昼のピークを過ぎた喫茶店は大人の止まり木。窓の外と違う時間が流れるかのような空間で過ごすひとときは、何にも代え難いものです。

▲どっしりとした風格が漂う歌舞伎座の佇まい

東銀座はいい街です。地名に銀座とついているように、ほぼ銀座といっていい場所にありながら、情緒あふれる街並みや、歴史ある店が当たり前の顔をして並んでいるから、歩いているだけで楽しい。

この街のランドマークとも言える歌舞伎座の裏には、歌舞伎役者にも愛されたという喫茶店があります。さっそくお邪魔しましょう。

▲すこし奥まった入り口

『喫茶YOU』は、大通りから一本入った路地にあります。創業から50年近くになる、昔ながらの雰囲気を残した喫茶店です。ただ古いだけじゃなくて、年月と共に喫茶店を超越した風格を備えている。これがきっと銀座という街の持つ力なんでしょう。

▲素敵なフォントの看板。こういう小さな趣の積み重ねが喫茶店としての格を高めている気がします

歌舞伎観劇のついでに足を運ぶという方も多いのですが、それ以前にこちらのお店は街の顔といってもいい喫茶店なので、ランチには行列ができます。私はラストオーダー直前の16時頃にお邪魔したので、並ぶことなく入れましたが、私のあとからもお客さんがどんどんと吸い込まれていきました。

▲すこし暗い階段を上っていきましょう

ドアを開けると、2階のテーブル席に案内されます。すこし暗い階段を一歩一歩登っていくんです。本当は一気に駆け上がりたい気分だけど、銀座という街はね、どんな場所でも走ったりしてはいけません。なぜなら大人の街だから。

▲統一感のある内装がいいですね

えんじ色で統一された椅子とソファは、きっと年季の入ったものなんでしょう。べっちんのような素材感で、座り心地もいい。ところで、若い人に「べっちん」って言葉は通じるかな。ベルベットといえばいいのかしら?

しかし、これらの椅子やソファは大事に使われてきたようで、いい経年変化を遂げています。ひとことでいえば味がある。老舗喫茶のもつ重厚な雰囲気の秘密はここにある。

この日に限らず女性客が多いので、華やかな雰囲気がありますが、男性客だってウエルカムな雰囲気。なんでだろうと考えたら、みんなが笑顔だったからです。