船酔いからスタート…そんなときにいきなりドカーン!

船長が用意してくださったアカイカをハリにつけ、海底へ。そこから5メートルくらい上で釣れるそうなのだが、海底の起伏が激しく、5メートル上をキープするのが難しい。

しかも、船酔いをしてしまって早々に嘔吐……。集中力が下がり気味だが、せっかく八丈島まで来たのだから諦めるワケにいかない。海底に根がかりしないように気をつけながら3投目。いきなりドカーンときた。

竿がかなり食い込んだものの、泳がせの釣りは、針がしっかり食い込むまで持たなきゃいけないイメージがあり、ドキドキしながら、いつ合わせようか待っていたら、船長が「もう、しっかり食い込んでるよーー!! 早く、早く、早く上げてー!」と声がかかる。「え、ヤバイ、ヤバイ!!」と、それからすぐに合わせたものの遅かったようで、仕掛けを上げたらアカイカのゲソから半分が食べられていた……。

次のアタリは逃すまいと、竿先をよく観察していたら、またまた気分が悪くなり二度目の嘔吐(笑)。しかし、そのまま観察をし続けていたら、なにやらモゾモゾする感じがして、さっきのいきなりドカーンときたタイプとは違うアタリが。焦らず、しっかり針が食い込むまで10秒ぐらい待ったかな。ようやくガツンと食い込んだ感触のところで竿を合わせたら、ものすごい力とスピードで魚が逃げようとするではないか!

魚vs私! 強烈な魚のヒキに綱引き状態

海底の穴に潜られたら糸を切られて逃げられるだけなので、ここからは魚と私の力の勝負。マグロのようにある程度泳がせて、魚に疲れさせてから釣るのではなく、リールのドラグをガチガチに締めて、これ以上は絶対に糸は出させない! ただ巻き上げるのみ!! 魚との対決が始まった。

ものすごい力で竿ごと引き込まれるが、それを少しでも緩めないようにひたすら耐える。魚が優勢になると、竿が船べりのギリギリに近づき、もし竿が船べりについたら竿が折れるのは確実。そうはさせまいと全身の力で耐えながら、リールを巻いていく。本当にもう、いっぱいいっぱいの状態のやり取りが続き、この戦いを制したのは私。上がってきたのは6~7キロの大本命のカンパチだった。

▲必死で釣ったカンパチ。持っているだけで重い

ヤッターーーー!! このヒキがカンパチ釣りの楽しさなんだ! なんて思えるのは釣れたからこその感想。途中はどうなるかと思ったけど、無事に釣ることができてうれしい。この1本である程度コツをつかみ、この日は3本のカンパチを釣ることができた。あ~~大満足!

その日の夜は、カンパチではなく、残った餌のアカイカを居酒屋に持ち込み、カンパチの気持ちになってアカイカとともに八丈島のグルメを楽しんだ。

▲手前がカンパチの餌だったアカイカ。お刺身はどれもおいしかった