副業としてのパーソナルトレーナー。今こそ起業したい人へのアドバイス

――ひぃ~、女性にはあんなに寄り添っているのに、男性にはドS(涙)。ところでいま、大きな企業で副業がオッケーになったり、これだけ不安定な時代ですから、「一念発起して起業してみたい!」という人が絶対にいると思います。そこで、もし「副業としてパーソナルトレーナーになりたい」というサラリーマン、あるいは若くてこれから自分で裸一貫やってみたい、という人に向けてアドバイスをするとしたら?

吉野 そうですね。副業としてパーソナルトレーナーをやるとしたら、経歴としてサラリーマンをやっていた人のほうが強いでしょうね。なぜなら、さっきも言った通り、きちんとto doリストをこなせる人のほうが強いですから。パーソナルトレーナーという選択肢も、とてもいいと思います。

ただし、僕らの仕事はやはりお客様と約束する仕事ですから、「小さい約束と小さい変化」ができなければ、やめたほうがいいかもしれません。自分のルーチンを変えられないという人、たとえば揚げ物を食べるのは変えられない、減らせないという人は、やめた方がいいと思いますね。

――すいません、唐揚げはやめます(号泣)。自分との約束も守れていないわけですからね。

吉野 そうです。自分と約束したり、自分を変えることができない人は、他人のことなんて変えられっこありません。つまり、自分が変化しないと、他人も変化させられない。たとえば年下の人に指摘されてもカッとせずに「そうだな」と言える人じゃないと向いて いないと思います。

それから、人と向き合えない人はダメ。普通のインストラクターを目指すのであれば、YouTubeを見れば、いくらでも勉強のやり方が出ているわけです。ところが、僕らはトレーナーなので、「人と向き合ってなんぼ」なんですよ。

――なるほど、そこがYouTuberとトレーナーとの、最大の違いですね。マンツーマンで向き合うわけですから。では、人と向き合うことができて、自分が勉強できてさえいれば、初期投資もさほどかからずに、とりあえず始めることはできますよね。

吉野 僕の後輩で元ホストがいるんですけど、ものすごい売れっ子なんですよ。人と向き合うことに長けていますから、人の心の機微を読み取るのも上手いですし、女性とのコミュニケーションも上手い(笑)。

――ある意味、アマレスで国体に行って優勝した人よりも、何の経験もないホストのほうが向いているかもしれない、ということでしょうか。

吉野 僕も広告代理店に勤務していたとき、営業マンとしては何も売れなかった。でも、そういう挫折がある人ほど、新しいフィールドに入ったときに強いはずなんです。成功体験があるほうが、逆に邪魔なんですよ。「一回、泥にまみれろ」と言いたいくらいですね(笑)。

――では、経営者としてはいかがでしょう。店舗数が増えて嬉しい反面(※現在、7店舗展開)、そのぶんのご苦労もおありかと思うのですが……。

吉野 実は、これ以上は個室を増やさないと決めています。たとえばある大手ジムはCMを打たなくなりましたよね。ブームが終わって集客が減り、ここからは「技術と人」じゃないと残れなくなってきたんです。そこで、うちは“セミパーソナルジム”をオープンしました。基本は普通のフィットネスクラブなんですが、メニューを毎回つくって、やり方を教えて、重さや回数、それからインターバルも指定したうえで、遠巻きにチェックして声がけをするんです。実は、これを全国に広めたいと思っているんですよ。フィットネスクラブでもなく、パーソナルトレーニングでもなく、あくまで“セミパーソナル”。

――経営者として、「ここを攻める」というポイントがはっきりしていますよね。差別化にもなるし! 吉野選手はまだまだ年齢的にはお若いですけれども、経営者としての最終目標みたいなものはあるんでしょうか?

吉野 全国に2000店舗を展開したいと思っています。でも、他人のお金ではなく自分でやりたいですし、人を育てるには時間がかかりますからね。たぶん、時間をかけてやっていかなくてはいけないでしょうね。ビジネスモデルの一つは、カーブスさん。カーブスのいいところは、一週間来ないと電話するんですよ。高齢層向けなので、「お元気ですか?」「何していますか?」と。とにかくジムに来るように声がけを欠かさないんです。対して、普通のフィットネスクラブは幽霊会員ビジネス。来なくてもお金がもらえる。でも、これから残っていくのは、前者です!

――幽霊会員を作らない、リピート率の高い、自分だけのフィットネスジムということですね。2000店舗ということで、まずは人材の育成からでしょうか。

吉野 これから、個室ジムは半分にくらい淘汰されると思います。そうすると居抜きが増える。だからこそ、本当に副業したい人にはいいと思うんですね。ただし、1店舗で100万、150万稼ぎたいという人ではなく、「1店舗50万でもいいから副業したい」という方が時流に乗っていくように思います。ですから、副業するならパーソナルジムでしょう。大儲けはできないけれど、固定のお客さんは入りますから。

――最後に、やっとプロレスのお話を。大日本プロレスのジュニアを盛り上げていくことはもちろん、ズバリ、レスラーとしての目標は?

吉野 大日本のベルトを自分と(橋本)和樹でベルトの創設を訴えておきながら、僕、「BJW認定ジュニアヘビー級王座」を巻いてないんですよ。それがもう、本当にコンプレックスで……。ですから、これまでは「団体のため」と考えていたんですけど、今年は「自分がやりたいことをやる」という欲が必要だろうと思っています。

首を痛めて試合数を減らしていたんですが、本当は引退しなければいんでしょうが、それでも、やめられなかった。そのくらい、プロレスが大好きなんです。僕みたいな「身体が万全ではない人間でも諦めないことで、人に勇気を与えられる」って思っていて、それこそプロレスのいいところだと思っています。だから、今年こそはジュニアのベルトを獲りたいですね!

――プロレスファンとしては、プロレスの好きな選手が好きですし、応援していますからね! ぜひ、今年はベルトを獲っていただいて、経営者としては2000店舗ということで、これからのご活躍に期待しています! ベルトを巻いたらまた話を聞かせてくださいね!

吉野 はい、大好きなプロレスも頑張ります!

[プロフィール]

吉野達彦(FORZAフィットネススタジオ代表トレーナー)
1985年8月31日生まれ。大日本プロレス所属の現役プロレスラー。運動指導歴14年。指導実績として、学生時代よりフィットネスクラブにてインストラクターとして指導。広告代理店営業を経て2009年よりパーソナルトレーナーとして活動し、初心者からモデル、アスリート、高齢者まで幅広く指導する。2015年に、『FORZAフィットネススタジオ』をオープン。

「FORZA(フォルツァ)フィットネススタジオ」

現役のモデルやタレントのボディメイクを担当する吉野達彦が代表トレーナーを務めるパーソナルトレーニングジム。

 

〈大会情報〉
吉野達彦選手も出場!
大日本プロレス25周年メモリアル
大日本旗揚げ記念日「STARDUST SUPERSTARS」
神奈川・横浜文化体育館大会
https://bjw.co.jp/schedule/s2020-03-16/

『エンタメ業界〝インサイド〟レポート』の次回更新をお楽しみに。