昨年の全国6か所での上演を経て、この2月に待望の東京公演を迎える錦織一清作・演出・主演の舞台『サラリーマンナイトフィーバー』に出演するアンジーひより。彼女にとっての初舞台だった作品への思い入れは? 

15歳の若さにして故郷・静岡から単身上京し、今は高校生活と仕事を両立しているという彼女。お弁当も自作する現役女子高生ライフについても聞きました!

▲底抜けに明るく、寒さをものともせず生足で撮影

錦織さんのアドバイス「現役高校生らしさを忘れないで」

――まずは、舞台『サラリーマンナイトフィーバー』についてのお話しから聞かせてください。去年の初舞台のときはどんな気持ちでしたか?

アンジー 本当に何もかもが初めてで。演技も初めてだし、ほかのキャストの皆さんのようにカッコよくダンスも踊れないし、声量がないから大きな声で歌えなくて。稽古が始まって最初の頃は、めっちゃ落ち込みました。映像向けの演技レッスンはしてましたが、舞台はやっぱりぜんぜん違いますよね。

だから、“わかんない!”って泣きそうになりながら稽古場から帰ってました。でも、プロデューサーさんや、ほかのキャストの方たちに少しでも褒められるとうれしくて。“もっと頑張ろう!”って思えるようになっていきました。本番初日はすごく緊張したんですが、楽しめたのでよかったです。

――今は東京公演に向けて、改めて稽古をしている真っ最中だそうですね。去年との違いはありますか?

アンジー 出演者が少し変わったので、一味違う舞台を味わえると思います。ストーリーの大筋は変わらないんですが、稽古をしていくなかでどんどん新しいセリフや動きが付け足されていっているので、バージョンアップしてる感じです。私自身もレベルアップしたと言ってもらえるように、台本にめっちゃ書き込んで頑張ってます!

――ご自身の見せ場は?

アンジー この舞台って笑う場面が多いんですけど、私が最後の最後にあることをしてしまって……そこから感動の場面につながっていくんです。ほかの役の子たちは、お父さんのことが嫌いな設定なんですけど、私の役はお父さんが大好きな女の子で。なのに……という展開になっているので、そこは見せ場だと思います。

――錦織さんから演出を受けるなかで印象に残った言葉はありますか?

アンジー 「素直なセリフはお客さんに伝わるものだから、その素直さを忘れないでほしい。現役高校生らしさを忘れないで」って。初心を忘れずに頑張りたいと思いました。錦織さんは、すごく気さくに話しかけてくださって。「おいアンジー、最近の高校生の流行りはなんだ?」とかめっちゃ聞かれます(笑)。

▲舞台『サラリーマンナイトフィーバー』での見どころにも注目したい

――どんなことを教えてあげるんですか?

アンジー ルーズソックスがまた流行ってるので……「時代は回ってる」ってことですかね(笑)。休憩中にTikTokを撮っていたら「流行ってるのか?」って興味を持ってくださって。錦織さんもTwitterをされているのでSNSのことをお教えしてます(笑)。一緒にTikTokを撮りたいんですけど、恐れ多くてなかなかお願いできないです。いつかは一緒に撮れたらうれしいです!

――稽古場で一番楽しいことは?

アンジー この舞台は、一人で何役も演じられる方がいるんです。例えば、警官とサラリーマンとか。同じ俳優さんなのに警官役のときには警官に見えるし、サラリーマン役のときにはサラリーマンに見える。その七変化ぶりは、稽古中に見ていてすごく勉強になります。お芝居って、こういうところが楽しいなと感じます。

――逆に大変だなと思うところは?

アンジー ダンスナンバーがすごく多いんです。必死にバブリーダンスを踊ったあとに、ハァハァと息を切らさずにセリフを言わなきゃいけないんです。そこはめっちゃキツイ! 皆さんには「高校生だからいけるでしょ!」と言われるので、「はい、余裕です!」みたいな感じで答えてるんですけど、ほんとはめっちゃキツイです(笑)。

――ちなみに学校では運動部ですか?

アンジー いえ、軽音楽部です。だけど運動は好きで、体力には自信があります。

――舞台で共演されている渋谷天笑さんとは、FM世田谷でラジオ番組もされているんですね。(『渋谷天笑とアンジーひよりのサラリーマンナイトフィーバー』)。

アンジー はい! それまでカメラがある仕事ばかりだったので、最初は戸惑いが多くて。初めてのときはラジオなのに「バイバーイ!」ってマイクに向けて手を振っちゃって(笑)。「それ、見えてないぞ!」って、周りの皆さんに笑われちゃったんですが、今はもう慣れました! 

渋谷さんとは21歳の年齢差があるので、逆にそれが楽しいとファンの方から言っていただけるのがうれしいです。リスナーさんからいただいたメッセージを読んだりすると、面と向かっていなくても、どこかでつながっている感じが楽しいなと思います。

――世代的には、SNS以外で人とつながれる感覚は新鮮なのでは?

アンジー そうなんです。それまでラジオは聞いたことがなくて、最初はどんな感じ?って思っていたんですけど、すごく楽しいです!

▲軽音楽部ではギターを担当している