もうすぐ新生活が始まる4月。新たに社会人となる若者に向けて、ヒット商品のPR戦略や人気番組の企画を同時に手掛ける野呂エイシロウ氏が教える、考えなくてもうまくいく仕組み化のコツ! 時間のない朝も少しのコツを実践するだけで、悩まずに“最速”で結果を出せるようになるかもしれません。

※本記事は、野呂エイシロウ​:著『考えなくてもうまくいく人の習慣』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

ジャケットは「2着」にしぼる

誰にでもお気に入りの1着というのがあると思います。“いつか”のためにとっておくことも多いのではないでしょうか。僕にも、かつてそういう服がありました。25万円のスーツです。

▲ジャケットは「2着」にしぼる イメージ:hirost / PIXTA

過去形で書いたのは、先日、思い切って処分したからです。

久しぶりに試着してみたらシルエットが古く感じられ、外に着ていく気がしませんでした。25万円もしたのに数えるほどしか着ておらず、もとをとれずに終わってしまいました。

女性の場合、お店で店員さんに「ちょっとしたパーティにも着ていけますよ」と言われて、つい買ってしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。でも“ちょっとしたパーティ”ってなんでしょう? 企業のパーティに僕もよく呼ばれますが、女性の多くはきれいめのビジネススーツを着ています。実際にはドレスが必要な結婚式や披露宴くらいしか思いつきません。もちろん、毎回、同じ服を着ていくわけにはいきません。

そのような場合、レンタルドレスのほうがよいかもしれません。金塊であれば誰が持っていてもお金になりますが、服は性別、好みもバラバラなので、売ったとしてもまとまったお金にはなりづらく、置いておくだけで場所もとります。

かといって、放置しておくと汗ジミがカビに変わってしまうケースもあるので、クリーニングは必須です。ただ、クリーニング費用というのも、なかなかの金額です。それであれば、特別な日はレンタルドレス(スーツ)にしてみるのはいかがでしょう。

クリーニング代も不要ですし、場所もとりません。2着持っていれば、その2着を着回すか新たに買い足さなくてはなりませんが、レンタルであれば、毎回違うドレス(スーツ)を楽しむこともできます。

服は着るために買うものです。とっておくために買うのではありません。25万円のスーツを買ったのなら、25万円分は着倒すべきだったのです。

僕はそれ以来、1シーズン着なかった服は捨てることに決めました。スーツは同じ形のものを2着ずつ買い、着まわしています。

シャツも下着もシンプルで清潔感があり、かつ着心地のよい定番品を選び、最低限必要な分だけをクローゼットに収納しています。

この方法にしたおかげで、クローゼットの前で悩む時間が極めて短くなりました。

大切なのは、いつ来るかわからないハレの日ではなく、毎日をどう快適に過ごすかです。もったいなくてなかなか着られない25万円のスーツよりも、手頃な価格で着やすいスーツを毎日交互に着たほうが、心豊かに暮らせます。

シャツは迷わず「白」を選ぶ

朝の忙しい時間に何を着ていこうか悩む人に、もうひとつおすすめなのが、自分に合う服を色違い、あるいは同じものを複数枚持つやり方です。

▲シャツは迷わず「白」を選ぶ イメージ:jessie / PIXTA

「ノームコア」というスタイルを聞いたことはあるでしょうか。これはノーマル+ハードコアの2つの言葉を組み合わせた造語で、“筋金入りの普通”と言えるファッションのスタイルです。実践している代表的な人物として、故スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグなどが挙げられます。

スティーブ・ジョブズは超定番アイテムを使ったスタイルで、イッセイミヤケの黒のタートルを愛用していましたし、ザッカーバーグは、いつもTシャツにブルージーンズです。加えて、あのオバマ元大統領もプレジデント・ノームコアと呼ばれていました。

彼らに共通しているのは超多忙ということ。大企業の代表や大国の大統領は、毎日大きな決断を行っています。自らのファッションより、今日決断すべきことに集中したいはず。そういう人にとってファッションをルーティン化したノームコアは、じつにフィットするスタイルだったのでしょう。

ザッカーバーグほど忙しくはないかもしれませんが、僕たちも仕事に集中するために、戦闘服を用意しましょう。

【シャツ】:白いシャツがおすすめです。白はどんなジャケットにも似合うので、迷わずに済むからです。

【ジャケット】:色は紺かグレーがベストです。2種類に決めると、そもそも選ぶ色が少ないため、迷わずにすみます。グレーはフォーマルなシーンに合わせやすく、紺はどんなシーンにも合わせやすくて万能です。あと、万が一お酒をこぼしたとき、紺だと染みが目立たないという利点もあります(笑)。

【靴】:靴は合わせやすく、はき心地のよいものがベストです。色もベージュのように薄い色より、黒のほうが合わせやすいです。また、本革だと茶色系は必ずお手入れをしないと傷が目立ったり色むらがあるので、こまめにメンテナンスできる人以外は黒色がおすすめです。もちろん、黒色でもツヤ出しアイテムでケアすることは欠かせません。

最初の1着・1足を用意するには、さすがに10分では難しいかもしれませんが、一度お気に入りのアイテムが見つかれば、同じブランドのものを買えばいいのでラクです。服選びが早くなると、そのぶん時間ができるので、自分のやりたいことに時間を使えますし、新しい発想が生まれてくるチャンスも増えます。