シンプルな構成だからこそ完成度が際立つ

そして幕が開く。

やはりステージにスクリーンなどが降りてくることはなかったが、すぐにそんなものは必要ない、と理解した。

シンプルに4人のパフォーマンスだけで満足できるし、ステージ上の動きを追っているだけでも見どころが多すぎて、ここに映像なんかが加わったら、きっと脳内がバグってしまう。

▲愛来

 パフォーマンスの完成度の高さは今さら論ずるまでもない。もっと大きな箱で、もっとたくさんの観客の前でスポットライトを浴びるべきだと思う。

▲市川優月

こればっかりは、なかなか思うようにいかないのがエンターテインメントの世界の難しさなのだが、ここ数年、彼女たちはレベルアップすることを怠らなかった。途中でサボったり、諦めたりしていたら、きっとこのレベルには到達していなかったはず。

あとは報われるだけ、だ。

半年ぶりに見て感じたのは、パフォーマンスにしなやかさが増したこと。アイドルにこういう評価をするのはどうかとは思うが、艶っぽさすら感じるようになった。

その一方で、指の先まで意識したパフォーマンスをしながらも、客席に向ける笑顔や表情がめちゃくちゃナチュラルになっていた。本人たちが楽しんでいないとできない芸当である。

メンバーは『そんな余裕ないです! 始まる前は頭真っ白でしたから』と言うが、4人でニコニコ笑いながらそう語るところには、やはり昨年までにはなかった余裕を感じずにはいられない。

▲小島はな

このツアーでは新しい試みとして『AME6』なる企画が開催された。これはセットリストの1曲目から6曲目までを当てるもので、的中するとメンバーとのお話会(Springにかけて『バネ会』)に参加できる、という特典つき。来場した観客を楽しませる、という意味で好企画だったと思う。

昼の部では的中者がおらず、市川優月が「みんなで話し合って、いろんなパターンで投票すれば、誰か1人は当たるんじゃない?」と呼び掛ける一幕もあった。

▲鈴木萌花