コロナきっかけでYouTubeデビュー

――第一子を2019年4月に出産されて、大学院を卒業されたのがいつになりますか?

nolie 2020年夏です。そのタイミングがまさにコロナの時期とかぶるんです。コロナ禍前は、自分のキャリアを考えて、卒業後はパリに家族で引っ越ししようと思っていました。パリのほうがインターナショナルな設計事務所が多いので、外国人である私もスキルを活かしやすい。なので、家族でパリに引っ越して、そこで私は建築の仕事を見つけて、彼は同じ会社でエリアだけ移動するみたいな形で調整できそうという話で。

▲大学院修了式の日、大学の前にてワインで乾杯

でも、コロナになって、フランスはロックダウンもかなり厳しかったので「この状況でパリに行ってもどうなんだろう……」ということになって。「それだったらナントにこのままいたほうが家族として心豊かに過ごせる。それならこのままナントに住み続けよう」と。

このときYouTubeを始めて1年くらい経っていたので、私はこのままYouTubeを頑張ってみようと決めました。だから、コロナがなかったら、今頃パリで建築の仕事をバリバリしていたかもしれないし、YouTubeをこんなにしていなかったかもしれない。そう思うと不思議ですよね。

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――Youtubeを始めたきっかけは?

nolie 半年間休学していたとき、その当時、息子は生後4か月ぐらいだったんですけど、手がかからない子で、単純に暇で時間もありまして。渡仏してからちょこちょこブログは書いていたんですけど、なかなか定期的にアップできず中途半端になってしまっていたんです。もともと、私は文章を書くよりも「しゃべるほうがどちらかというと好き」ということもあって「なら、このタイミングでYouTubeを始めよう!」と。

最初の頃は、フランスに住んで経験したさまざまな理不尽なことで溜まったうっぷんを「日本語で誰かに伝えたい」みたいな思いがあって、おしゃべり系の内容が多かったんです。家族が増えていくなかで、次第にVlog(動画ブログ)のほうの需要が増えてきました。

しゃべる系だと、どうしても真面目な話もしてしまう。そうなると、Vlogのほのぼのした雰囲気の温度差というか、動画としてのギャップが出てきてしまって。そこで、もうひとつチャンネルを作るかどうしようかなと思っていたところに、Voicy(音声プラットフォーム)さんからお声をかけていただいたので、すみ分けして2021年から今の形に落ち着きました。

――YouTubeですが、フランス語字幕が付いているのが特長的だなと。

nolie 最初はフランス語を学びたいという人にも、日常会話の雰囲気を知ってもらうことができる動画、というのを意識して作っていました。私の動画をきっかけにフランス語の勉強を頑張っているという人もいるから、動画を編集する時間はかかりますけど、YouTubeの字幕機能でフランス語字幕をつけるのを2年ぐらいやっていて。

でも、だんだんと家族や友人などのフランス人も見てくれているから、今度は日本人が話している日本語の部分にも、動画によってはフランス語字幕を付けるようにしていて。フランス人が見ても、日本人が見ても、日本人でフランス語が学びたい人が見ても、楽しめるようなコンテンツ作りは考えていますね。