初のW杯観戦はサッカー王国・ブラジル!
「人生で一度はW杯を生で見たい!」と思っていた僕は
「一度っきりならサッカー王国ブラジルっしょ!」
と考え、家族の反対を押し切り、個人手配でブラジルに一人旅へ行きました。ちなみに初海外です。そりゃ反対されるわ。
もちろん怖さはあったのですが、とにかくサッカー王国がどんな国なのか、雰囲気を実際に行って味わってみたかったのです。
ちなみに下調べもあまりしいてません。なぜかというと、しないほうが楽しそうだからです。
思えば幼少期から、RPGゲームをやるときも攻略本を見るのがあまり好きではなく、村人にコツコツ話しかけて情報を聞いて冒険を続けるのが好きでした。
だからブラジルでも、たまたま知り合った日本人や現地の人と喋りながら冒険したかったのです。
ブラジルではたくさんの地元の人が助けてくれて、歩いているとわざわざ車を止めて「ここはこっち行っちゃだめだよ」と教えてくれたり、ご飯に招待してくれる家族もいました。
この時点で、だいぶカルチャーショックを受けました。
とにかく「治安が悪い」「ブラジル人は信用しちゃいけない」みたいな報道も多かったですから。
「同じ人間。みんな心に愛があるじゃないか」
と、ブラジル人の大らかさと優しさを存分に感じることができました。
ちなみにですが、ブラジル人にそんな話をすると全員
「いやマジで治安悪いよ」
と言います。じゃあ、なぜ僕が危険な目に遭わなかったのか。
「お前、貧乏そうなうえに足速そうだもん」
と言われました。
僕が危険な目に遭わなかったのはコスパ悪いかららしいです。
ただ、僕にとってブラジル人には親切にされた記憶しかなく、そしてサッカーへの熱量は想像通り凄まじいものがありました。
まず空港から宿へ向かうとき。もう日も暮れる時間だったのでタクシーに乗ります。
その日はブラジルW杯開幕戦の日。タクシーのラジオからもブラジル対クロアチアの試合の実況が聞こえてきます。
早く宿に着いて試合を見たい。しかしタクシーがなかなか宿に着きません。僕はプリントアウトした宿の地図を見せるのですが、運転手も困惑してる様子。
これが海外あるある、ぼったくりタクシーかと思って訝しげにしていると、運転手は無線で何やらホステルの場所を確認し出しました。あ、ぼったくりじゃないんだ。(結果的に13日間一度もぼられませんでした)
しかし、運転手が何を聞いても無線の向こうの返事は一緒。あまりにも繰り返すので、途中から日本人の僕でもかろうじて聞き取れました。
「マルセロがオウンゴールした!!」
いや試合の速報はいらないのよ。
結局、僕たちは近所の屋台でハーフタイムまでW杯を見て宿に辿り着きました。
W杯期間中、ブラジルでビーチに行くと、現地人と海外のサポーターが毎日サッカーをやっています。
日本人は他の国のサポーターと比べてもかなり上手い部類ですが、圧倒的に一番上手いのがブラジル人。
僕はビニール袋にサッカーボールを入れて毎日持ち歩いていたのですが、ブラジル人はマジで全員リフティングができます。
ビーチサッカーをしていても浮き玉のトラップの柔らかさにおいては、みんなが日本でいう全国区の選手のような上手さがありました。
そして「そりゃ上手くなるよな」と思ったのが、小学校高学年くらいの子から二十歳くらいの兄ちゃんまでごちゃ混ぜでやっていて、大人が子ども相手に本気のディフェンスをするのです。
おそらく上の世代の子たちはクラブチームには所属してなくて、いわゆる校庭開放でサッカーしている感じ(それでも相当上手いけど)。そして、ちびっ子たちはおそらく、これからクラブチームにスカウトされていく子たち。
なので、足元があるのはちびっ子たちなのですが、ちびっ子にかわされた大人がすぐに反転し、追いつき、子どもを弾き飛ばす。子どもは砂だらけになりながら「ファウルだろ!」なのかなんなのかわからないけど、わめきながら大人に追いすがるのです。それの繰り返し。身長が20cmも30cmも違う、さらに自分より速い大人とそれをやってたら、そりゃ強くもなるわ。
日本でやったら動画を撮られて、子ども相手に大人気ないやつとしてSNSにあげられて即終了ですが、ブラジルではそれが当たり前なんだな、と。