柳田悠岐はパ・リーグでトップクラスの成績を残す

柳田悠岐も、昨シーズンはキャンプインのときに体重をうまく管理できず、苦しんだシーズンとなった。最終的にはベストナインを獲得したものの、規定打席に到達した年で自身初の打率.300とOPS.900を切った柳田だったが、今シーズンはリーグトップクラスの成績を残している。

▲プロ野球界を代表するバッターである柳田悠岐 写真:西村尚己/アフロスポーツ

WBCを辞退するなど、かなり強い気持ちを持ってシーズンに照準を合わせていたに違いない。キャンプでは身体の調子の良さもコメントしており、順調に調整ができたのだろう。

シーズン序盤はなかなかホームランが出なかったが、徐々に調子を上げていき、現在の長打率は5割以上をキープしている。また、出塁率に関してはリーグトップを記録しており、2015〜2020年の水準に戻りつつある状態だ。

今シーズンに関しては、後ろを打つ4番の栗原陵矢がリーグトップの打点を記録しており、柳田が四球を選んで塁に出れば栗原が返し、柳田と勝負する状況になれば自身が試合を決めているのも大きい。

持ち前の打撃力で、チームを引っ張っている柳田。他球団からするとかなり脅威になっているだろう。

昨シーズンから苦しんでいた1988年世代の顔がついに復活か?

1988年世代で野手の顔といえば坂本勇人だ。

柳田と同様にWBCを辞退したことやキャンプの取り組みを見ても、今シーズンにかける気持ちは強いものがあったに違いない。

昨シーズンは怪我に悩まされ、今シーズンは開幕直後はなかなかヒットが出ずに苦しんだ。ただ、自らジャイアンツ球場で調整するなど試行錯誤したこともあり、4月下旬から調子を上げていき、現在の打率は.250まで上昇した。

下記が5月の試合ごとの成績である。

・5月2日:5打数2安打
・5月3日:4打数2安打
・5月4日:4打数2安打
・5月5日:2打数2安打
・5月7日:3打数1安打​

坂本は、もともと固め打ちをしながら調子を上げていくタイプ。直近はまさに固め打ちが多い。猛打賞の回数に関しては、歴代5位となる149回を記録している。下記は猛打賞の歴代TOP5である。

【プロ野球通算猛打賞】
1位:張本勲251回
2位:川上哲治194回
3位:長嶋茂雄186回
4位:野村克也180回
5位:坂本勇人179回

(5月8日時点)

レジェンドプレーヤーたちの名前が並ぶなかで、坂本が堂々とランクイン。これだけでもいかにすごい選手なのかがわかる。

さらに、GWぐらいからボールが飛びやすくなっている(目視ではあるが)が、飛ぶボールの年と坂本の相性も抜群にいい。

プロ野球全体の年間ホームラン数1600本以上を記録したシーズンと坂本のキャリアを振り返ると、下記になる。

2010年:1605本
坂本の成績:打率.281  31本  85打点  OPS.836

2018年:1681本
坂本の成績:打率.345  18本  67打点  OPS.962

2019年:1688本
坂本の成績:打率.312  40本  94打点  OPS.971

コンディションを考えて休み休みの起用にはなると思うが、この成績を見ると今後の坂本の活躍に期待していきたいところだ。

坂本は好不調の激しい選手のため、今後も調子が下がることはあるが、15年にわたり巨人のショートストップとしてチームを支えてきた選手だからこそ、完全復活して再びファンを沸かせるプレーをしてほしい。

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昨年は軒並み調子を落としていた1988年世代の選手たちだが、今シーズンの序盤戦は好調を維持している。ベテランという括りに入ってきてはいるが、まだまだ老け込む年齢ではない。

プロ野球界の顔として、元気な姿でグラウンドを駆け巡ってほしい。


プロフィール
ゴジキ(@godziki_55)
自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」「データで読む高校野球 2022」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」などで、巨人軍や国際大会、高校野球の内容を中心にコラムを執筆している。今回、新たに「WANI BOOKS NewsCrunch」でコラムを執筆。Twitter:@godziki_55