ネパールの民族“グルン族”に嫁いだ、日本語しか話せない日本人妻・グルンこのみ。2023年2月に開設したYouTubeチャンネルの登録者数は約3.5万人、TikTokのフォロワー数は4万人にものぼる。結婚して8年、夫以外のネパール人家族とはフィーリングで会話していると話す。
ニュースクランチ編集部は、そんな日本人妻・グルンこのみにインタビューを実施。学生時代の話や旦那さまとの出会い、義家族との関係、今後やってみたいことまで幅広く語ってもらった。
スポーツ推薦のプレッシャーに潰れてしまった
――このみさんの学生時代を教えてください。
グルン 私は新潟県出身で、高校はスポーツ推薦でスポーツ科に入ったんですけど、入学して3か月後に転校したんです。
――最初に入った高校は、このみさんに合わなかったんですか?
グルン それが……今でこそこんなに明るい私が心の病気になってしまったんですよ。自分でもびっくりでした。ずっとやってきたテニスもできなくなってしまい、自分はテニスがなくなったら何もないんだ……と思ったら心が閉ざされちゃって。もう、今の私とは別人でした。
そこから適応障害、躁鬱といろんなものを抱えてしまい……高校には通えないかもと諦めかけていたんです。そうしたらありがたいことに、当時の同級生から「こんな学校もあるけど?」って誘われたのが、転入先の高校です。その高校には芸能コースがあり、そこで新潟のタレントの方が講師をしていらして、“自分もこんなふうになれるんだ”と知りました。
――そうだったんですね。
グルン 転入先の高校では、学校のみんなや地元の友達などいろいろな方に支えてもらいながら通うことができて、今までずっとテニス生活だった私が、知らなかった世界を見ることができました。中学生の頃に思っていた「タレントさんになりたい」という夢も叶えられるんだ! と視野が広がった瞬間でもありましたね。
――テニスはいつから?
グルン 私が生まれた頃から兄がすでにテニスをやっていたんです。私も3~4歳くらいには硬式テニスを始めましたが、しっかり始めたのは小学校2年生ぐらいですね。朝から夜までずっとテニス漬けで、幼少期はプロ選手みたいな生活をしていました(笑)。
――そんなにも頑張っていたテニスができなくなってしまったと。
グルン そうなんです。しかも私、勉強が全くダメで(笑)。本当に勉強をしてこなかったので、先生や両親に「高校に行くならスポーツ推薦しかないぞ」と言われたので、勝つしかない! 頑張らなきゃって思っていました。
それで、ずっと行きたかった高校に入学できたんで、いろんなもの抱えながらもテニスを頑張っていたんですが、でもやっぱりちょっと合わなくて……それで折れてしまったんですよね。スポーツ推薦で入ったというプレッシャーもあったんだと思います。“結果を出さなければ存在意義がない”みたいな思いは常にありましたし、1位じゃなきゃダメなんだと思っていたことは、すごく覚えています。
――その後、転入された高校ではどうだったのでしょうか。
グルン だんだん元気になって高校に通えるようになりました。留年して1年多く学校に通いましたが、先生方や学校のみんなが本当に優しくて親切な人ばかりで、楽しみながら過ごせるようになりました。自分なりに適応できるようになってきたかなってときに、遊び感覚で動画を撮って投稿したり、ライブ配信などを始めるようになりました。その頃に旦那っちと結婚が決まったんです(笑)。
旦那っちと出会って体調がどんどん良くなった
――旦那さまとの出会いを教えてください。
グルン YouTubeでも話しているのですが、旦那っちとは英会話のオンラインレッスンで出会いました。精神的にも元気になってきたころで、もっといろいろと経験を積みたいと思って、英語の勉強をしてみようと思ったときに出会って。そこからどんどん体調も良くなったんです。
――YouTubeを見ていると、旦那さまはとても温かくて包み込んでくれる印象を受けました。
グルン 本当になんでも受け入れてくれて、私をずっと肯定し続けてくれるんです。私は勢いで突っ走るタイプなのですが、旦那っちはそれを後片付けしてくれますね(笑)。
――電話やオンラインでやり取りをされていて、実際に会ったときはどんな感じだったんでしょうか。
グルン 私から「会おうよ」と言ったんですが、すぐに仲良くなりましたね。実際に会ったときは「本当に(彼が)存在するんだ!」と思うと同時に「絶対にこの人と結婚するな」と思いました。
――最初から何か感じるものがあったと。
グルン たぶん、何かを感じていたからこそ、会いに行ったのかもしれません。当時は新潟と名古屋で離れていたんですが、会ってみたい気持ちが最初から強かったんです。
――18歳で出会って、20歳で結婚となったんですね。
グルン 20歳になってすぐに結婚しました。「いずれ結婚するだろうな」とは思っていたものの、こんなにすぐに結婚するとは思っていなかったです(笑)。