物事には悪い面もあれば同じ分だけ“良い面”も必ずある
――一般の人たちが日本のポジティブな情報を知らない背景について、どう考えていらっしゃいますか?
ひつじさん さまざまな要因があると思いますが、日本人の性格も影響しているかなと感じています。どちらかというと日本人ってネガティブじゃないですか。いい部分でもあると思うんですけど、リスクヘッジしすぎというか。取り上げるニュースも現実的で、ネガティブな話題が中心になっちゃうのかなって。
あとは、いろいろと配慮しすぎなのかなっていうのもありますね。国粋主義じゃないですけど、日本の利益という視点になると、ちょっと触れちゃいけない空気感がまだあるように感じています。
――暗いニュースのほうが数字を取れてしまうっていう背景もありますよね。
ひつじさん 数字が取れるので、ネガティブなニュースばかり取り上げたくなる気持ちは百歩譲ってわかりますが、物事に“悪いことだけ”っていうのはあり得なくて、良いニュースと悪いニュースの比率は「5:5」だと思っています。でも、メディアは全体の2割ぐらいしか前向きな情報を伝えてない気がするので、残りの脚光を浴びていない8割の部分に自分が光を当てていきたいなと。
――今回の新刊では、地学や資源(エネルギー)に関する内容が紹介されていますが、ひつじさんが最も期待している分野はありますか。
ひつじさん たくさんありますが、YouTubeにも最近アップした下水を有効活用する動画ですね。下水を処理しながら、バイオマスエネルギーが生成できる「藻類バイオマス」の研究になります。あとは西之島に関する動画も最近出せていないので、ここ2年くらいの動向をまとめた長編動画の制作をしています。
〇生産効率はトウモロコシの約800倍!下水で1億3600万トンの原油を作る【2030年】
研究者がもっと報われるような仕組みを作りたい
――ひつじさんの動画がきっかけで、日本の資源開発に興味を持った方もいると思います。個人として何か協力できることはありますか?
ひつじさん 日本の資源開発は国からの補助金も少なくて、研究予算は常に限られているので、大学では基金を設立して支援を呼びかけているところもあります。そういった基金を通じて協力することは、ひとつの方法だと思います。
――そうした支援の方法があるということを初めて知りました。YouTubeチャンネル含めて、今後の展望を教えてください。
ひつじさん YouTubeやTwitterの規模がまだ小さいので、単純にもっと大きくしていきたいです。チャンネル登録もできれば「金の盾」をもらうぐらい大きくして、Twitterも今は4万人ぐらいなんで、フォロワー50万人とかいきたいです。書籍に関しても、可能であれば第2弾、第3弾と続けていきたいと思っています。
最終的にはコミュニティーみたいなものを作りたいと思っています。日本企業や大学の研究成果はたくさんあるんですけど、全然拾いきれていないのが実情です。そういった成果を、コミュニティを通じて取り上げていきたいなと。
――動画で紹介したい研究がたくさんあると仰ってましたね。
ひつじさん そうですね。大学や企業で研究している方は、世の中の発展に貢献しているにも関わらず、実際の処遇はあまりよくありません。そんなにお金をもらってるわけでもないですし、大きな関心も持たれず細々と地道に努力されています。そういった研究に対して、自分がもっとスポットライトを当てて、研究者の方々がもっと報われるような仕組みを作りたいという思いがあります。
――ひつじさんは動画のナレーションも担当されていて、すごく声がステキだと思っていて。それも人気の要因なのかなと。
ひつじさん ありがとうございます。「声がいいね」と言われることが多いので、ちょっと自信になってます(笑)。
――最後に、ひつじさんのパーソナルな部分を少しお聞きしたいんですが、趣味はなんですか?
ひつじさん お酒は大好きですね。ワインが好きで、赤ワインを毎日飲んでいます。美容にも興味があって、スキンケアとか髪・メンズメイクにも気を使っているのと、スポーツも好きで、毎週サッカー観戦に行ってました。大宮アルディージャのサポーターです!