今、日本では「食べすぎ病」が蔓延しています。「そんな病気、聞いたこともない!」と思われるかもしれませんが、実は糖尿病・高油血症・心筋梗塞・脳梗塞・ガン……。世の中に蔓延している恐ろしい病気の正体こそが、「食べすぎ病」なのです。逆に言うと、ほとんどの病気は“食べすぎなければ避けることができる”ことをご存知でしょうか? 著書が300冊以上もあるスーパードクターの石原結實氏が警鐘を鳴らしています。
※本記事は、石原結實:著『やせる、若返る、病気にならない ちょい空腹がもたらす すごい力』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。
「朝食抜き=健康に悪い」などの誤解
「腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」という日本の格言がありますが、これは真理です。なんと6000年前のエジプトのピラミッドにも次のような墓碑銘があるといいます。
Man lives on 1/4 of what he eats, the other 3/4 lives on his doctor.
これは英訳されたものですが、直訳すると、「人は食べる量の4分の1で生きている、残りの4分の2は医者が食べている」つまり「食べすぎるから病気になり、それが医者の食い扶ちになっている」ということが皮肉っぽく表されているのです。
6000年も前から「食べすぎが病気を作る」ことが指摘されていたのに、医学が飛躍的に発達した今になっても「1日3食食べないと健康に悪い」とか、「朝食抜きは健康に悪い」とかいう健康論がまかり通っているのですから、あきれてしまいます。
それよりも医者が現代人に呼びかけるべきなのは、「もっと食べる量を減らしなさい」
とか、「朝食くらい抜いても平気です。むしろ今より健康になるからやってみなさい」
ということです。
しかし、残念ながら「食べすぎ病」人口に対して「食べすぎないための技術」を教えることができる医者が圧倒的に不足しているのが現状です。まさに現代社会は「腹十二分に医者足らず」になっています。
また一方で、世間(医療関係者も含めて)には断食に対する誤解があります。身近な例でいえば「朝食抜き=健康に悪い」などの誤解が広まってしまっています。
これではたとえ人から断食を勧められてもやってみようとは思わないでしょうし、断食を続けることも(これがなにより大切!)難しいでしょう。なので、みなさんには、「食べすぎ病の恐ろしさ」や「断食のすごさ」について正しく理解してもらえたらと思います。