真に受けると関係が壊れる夫の小言

夫から「なんで片付けがちゃんとできないの?」とか「どうして冷蔵庫の食材を無駄にしちゃうの?」と言われると、イヤな気分になってしまう女性は大勢いると思います。

「あなたの健康のことを考えて食材を買ったりしているのに!」とか「あなたのことを優先して自分の好きなものなんか買っていないのに!」と頭の中で思って、なんで夫はそれをわかってくれないんだ……と怒りが湧いてきてしまいます。

そして「あなただって、読まない無駄な本ばかり買っているじゃない!」とか「家のことを頼んだって、ちっともやってくれないじゃない!」と言ってしまうと、夫の不機嫌さがさらに増して「あ~! 面倒くさい!」となってしまうんです。

この夫の小言で「面倒くさい」とか「うざい」と感じたら、夫が私に嫉妬をしているのかも? と疑ってみてください。

え? 私は夫に嫉妬されるようなものは何も持っていないですけど、という方もいるでしょう。

でも、“隣の芝は青く見える”というように「会社の不快な人間関係に縛られてない」とか「時間的に自由である」や「養ってくれる人がいる」ということで、ビビビッ!と嫉妬の発作が起きてしまい、破壊的人格に変身して奥さんの自由を破壊するような言動をしてくることもあるんです。

ですから、面倒くさいと感じる夫の小言を真に受けて、ちゃんと片付けようとか、冷蔵庫をきれいにしようとしても無駄。嫉妬の発作で破壊的人格に変身しての言動なので、それを直したとしても「お金遣いが荒い!」とか「食事を丁寧に作れ!」など、面倒くさいことを次から次へと言ってきます。

要するに「夫の小言」は真に受ける必要がありません。嫉妬の発作を起こしているときに、痛いところをついてくるなぁと思うような言動をするのは「破壊的な人格」に変身しているから。発作を起こしてしまうと、二人の関係を破壊するようなことが自動的に口から出てきてしまい、自分ではコントロールすることができなくなるんです。

だから、夫の小言を真に受けてしまうと、夫の嫉妬の発作に感電して「私も破壊的人格に変身しちゃう!」となって、夫を傷つけるような言葉が自動的に出てきます。発作を起こすと、お互い傷つけあって、どんどんお互いの親密な関係が壊れてしまいます。

▲嫉妬の発作に引っ張られずに落ち着いた態度で話そう イメージ:Ushico / PIXTA

夫が弱みを打ち明けるようになる

そこで、夫の小言が始まったときに「あ! 私に嫉妬しているんだ!」と気がつくだけで、夫の小言をスルーできちゃいます。嫉妬の発作を起こしていると、痛いところをついてくるなぁという感じで、受け流すことができます。

夫の怒りの本質はそこにあるわけじゃなくて、あなたばかりいい思いをしてずるい! と子どものような思考になってしまっているだけ。もちろん「あなただけいい思いをしてずるい!」というのは事実ではありません。でも、ストレスが溜まって荒れ果ててしまっている夫の心から奥さんを見ると、隣の芝は青く見えるので、嫉妬の発作を止めることができないんです。

ここで気をつけなければいけないのは、「私だって大変なんだから!」と主張して相手の嫉妬の発作を収めようとすることです。嫉妬の発作は、自分はこんなに大変なんだ! という「弱者」になればなるほど、相手のビビビッ!が酷くなってしまうんです。

「俺だって、こんなに大変なんだ!」というわけのわからない主張が始まり面倒くさくなるだけ。ですから、弱者にならなければ、嫉妬の発作は起きにくくなります。

日本の場合、昔とはだいぶ変わりましたが、まだ「男尊女卑」なる価値観が男性のなかに潜んでいます。ですから、女性というだけで弱者と認識してしまうのはそれのせい。

さらに「働いている自分は強者」ということになれば、余計に嫉妬の発作が起きやすくなるんです。

けれども、そこで夫の小言が始まったときに、嫉妬の発作を起こしているんだなと憐みの目で見れば、奥さんが「強者」となります。嫉妬の発作は強者に対しては起きないので、シュ~ンと夫の嫉妬の発作はトーンダウンしていくんです。

夫の脳内には、嫉妬の発作が起きるぐらい「不安」や「会社での怒り」のストレスが帯電しています。それでなかったら嫉妬の発作は起きません。

嫉妬の発作に気づくということは、“あーあ、会社でストレスを溜めて帰ってきたんだね”と憐む気持ちが同時に湧くので立場が逆転し、夫は自分のストレスを奥さんに打ち明けるように、脳がクールダウンすることができるようになるんです。

ですから、家庭内のパワハラ・モラハラは、みんな嫉妬の発作なんです。“嫉妬の発作を起こしている”という目で見てあげるだけで、それらが治まり、夫が自分の弱みを打ち明けるようになるまで変化します。そして、その話を聞いてあげると、二人の絆は自然と深まっていくんです。

▲上手に会話を増やすことで夫婦間の絆が深まっていく イメージ:ペイレスイメージズ1(モデル) / PIXTA

こんな感じで、夫の小言をスルーしてあげることは、とっても大切なことといえるでしょう。