セ・パ新人王候補はエース級の活躍

セ・リーグ新人王の筆頭はやはり阪神の村上頌樹だ。

開幕時点ではリリーフでの起用だったが、2回目の登板から先発に回り、安定感のあるピッチングを見せている。

特に、4月は開幕から31イニング連続無失点記録を樹立。その結果、4月の防御率は0.00を記録し、月間MVPを獲得した。

村上の持ち味は、67回を投げてわずか6与四球というコントロールの良さだ。

ただ、5月から徐々に成績が落ち始めていることから、これから夏場に向けて耐えられるかが注目である。

この村上の対抗馬が、巨人の秋広優人だ。この秋広も開幕から一軍にいたわけではないが、4月から打撃面でチームを引っ張っている。

その結果、現在は坂本勇人や丸佳浩、中田翔といった選手がいるなかで3番を任されており、打率も規定打席には未到達ながら、3割を記録している。

この秋広も、6月に入ってからは本塁打が出ていないのを見るとバテ始めている。さらに、他の選手との兼ね合いで、内外野を守っており、守備の負担も大きいだろう。

しかし、高卒3年目で3割到達や二桁本塁打達成となれば快挙なので、期待したいところである。

パ・リーグの新人王争いは、昨年日本一のオリックスの山下舜平大が圧倒的なピッチングを見せている。福岡大大濠高からドラフト1位で入団し、2年間は二軍で実戦経験を積んできた。

▲高校時代の山下舜平大投手 写真:7044/アフロ

3年目の今季はオープン戦から活躍を見せており、ストレートは最速158km/hを記録。さらに、平均球速は150km/h以上を記録した。奪三振率は驚異の13.50。空振り率を見ても期待できる数値を残した。

ストレートの平均球速は毎試合150km/hを超えており、先発投手では佐々木朗希(ロッテ)に次ぐ成績である。

また、山下は今シーズンの開幕投手も務めており、山本由伸や宮城大弥がWBCの影響で出遅れた点を見ると、山下への期待は大きかったに違いない。

高卒3年目ながら、防御率は1点台を記録。6月は対戦相手がパ・リーグよりも打力があるセ・リーグだったこともあり、成績を下げたものの、奪三振率は10を超える数字を記録しており、勝ち星もパ・リーグ1位タイとなる6勝を挙げている。(6月26日終了時点)

今後もゆとりのあるローテーションで、このパフォーマンスを維持していければ、新人王は間違いなく受賞できるだろう。

3連覇を狙うオリックスは優勝争い真っ只中だが、この山下の活躍も必要不可欠なのは間違いない。